第60話 作戦成功?
距離を置く作戦はあえなく失敗に終わってしまったかと思っていた矢先、俺は天川から声をかけられた。
天川とは久しぶりに会話をするが、俺が話す内容によってはせっかく話しかけてくれたのに再び天川が俺から距離を置いてしまう可能性もある。
天川が不快に感じないよう慎重に会話をしなければならない。
「ど、どうした?」
「あっ、あのっ、そのっ……。いい天気だね?」
「えっ--あっ、そっ、そうだね! いい天気だね!」
いやめちゃくちゃ曇ってるんだか? 青空一つ見えていないんだが?
あまりにも的外れな会話に、そのまま『いや曇ってるぞ?』と返答しそうになったが、なんとか天川に不快感を与えないように話を合わせることができた。
てか今のは話を合わせるのが正解だったのか?
黒を白と言っているようなレベルで曇ってるんだが。
はっ--⁉︎
これはまさか俺を試しているのか⁉︎
俺に適当なことを言って、それに上手く話を合わせられるかどうか試しているとでも言うのか⁉︎
……ってまあ流石にそれは無いか。
いつもの天川の天然が爆発してしまっただけだろうなきっと。
そもそも天川に人を試すような真似ができるとは思えないし。
というか、俺に話しかけてきた目的はなんなのだろうか。
本当に天気の話をしたかったのなら、こんなに曇っている天気を晴れているとは言わないはず。
何かしらに焦って的外れな発言をしてしまったのだろうか、
……まさか本当に『距離を置く』作戦が成功したとでも言うのか?
距離を置くことで、相手がなぜ距離を置かれたのかを気にして自然と距離を近づけようとしてくる、とはネットに書かれていたことだが、本当にネットに書かれていた通りのことが起こっているのだろうか。
藁にもすがる思いでネットの情報を漁り、正直こんなので関係が修復するのだろうかと半信半疑で試していたが、恐るべし、ネット情報。
「あ、あの……」
「……?」
もじもじした様子の天川は、黙り込んでしまい中々喋りだしてくれない。
俺の目の前に天川が立っているという光景に、クラスメイトの視線が俺たちへと集まる。
亜蘭込みで話している時は、クラスメイトは亜蘭と天川が話しているのであって、俺はただ亜蘭と一緒にいるだけだと思っているので注目を浴びることはない。
しかし、俺と天川が二人で会話をしているとなればクラスメイトの見方は変わってくる。
天川もそれに気づいたのか、突然俺に耳打ちをしてきた。
「今からうち来ない?」
「--っ⁉︎」
俺は天川による耳打ちの破壊力と、天川の家に誘われたという事実に驚愕してしまい、返事をすることなく首を二回縦に振った。
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