第55話 お膳立て
本音を吐き出した王子を、俺と亜蘭は思わずニヤニヤしながら見つめていた。
「な、なんだよそんなにニヤニヤして。振られたからといって好きじゃなくなる必要はないだろ」
一度本音を吐き出してしまった王子は、もう姫路に対する気持ちを俺たちに隠すことはなくなった。
そのセリフを聞いている姫路は今どんな気持ちなのだろう。
「なぁ亜蘭。こいつやっぱやり方間違えてるだけでただの純粋な童貞なんじゃねぇのか?」
「おい誰が童貞だ⁉︎」
「いや本当それな。王子がやってることは最悪だと思うわマジ。でもこんだけずっと一人の女を愛してるってとこだけは褒めてやるよ」
「お前に褒められたった嬉しくないんだが」
王子はやり方を間違えすぎていただけで、姫路に対する愛は本物だ。
とはいえ、間違えすぎていただけに、今更姫路がこの会話を聞いたからとて、じゃあ付き合いますという流れになるかと言われると、そうはならないような気もする。
とにかくここまでお膳立てしたからには、あとは当の本人達同士で話し合ってもらわなければならない。
「……なぁ王子。今もう一回姫路に告白したらさ、振られると思うか?」
「振られるだろうね。だって僕が前に告白した時は100万年早いっていったんだぞ? あれからまだ1年ちょっとくらいしか経ってないって考えたら、俺の告白をオッケーしてもらうにはあと999999年かかるってことになるからな」
王子のやつ、そんなことを考えていたのか……。
やはり中学時代に姫路から言われたセリフはトラウマレベルで心に焼きついているんだな。
「正直俺は成功すると思うぞ」
「おい他人が何を責任感のない言葉を--」
「じゃあ本人に聞いてみようぜ」
「……え?」
俺の言葉を聞いた姫路が王子の前に姿を現した。
「バラの花束渡されただけで告白だなんて思わないでしょ⁉︎ ちゃんと言葉にして言ってよ! 私のことが好きだって!」
「な、なんで月見がここに⁉︎」
王子は突然飛び出してきた姫路の顔を見て呆けた表情を見せていた。
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今年のカクヨムコンは魔境です。
予想以上にpvが伸びていきません。
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