生と死

奈良 華

第1話

×。いつしかそれは望みではなく義務になっていた。私は×ななければならない。理由そんなものはない。だがしなければならないのだ。人が必ずとは言わないが一度は思ったことがあると私は思っている。軽い冗談で思う者もいるだろう。言う者もいるだろう。だが私は心の底から思うのだ。だが何かが邪魔をする。なんでかはわからない。何かもわからない。なんでさせてくれないのか。もしかするとその鎖は私かもしれない。×ということに恐怖心があるのかもしれない。×をするというのは自分の意思でするのが望ましい。他人に言われてすることでもないが、他人の影響でする人も世の中には存在する。私はそんな世の中に嫌気がさしたのかもしれない。だから初めは望んでいたのかもしれない。いつ×が義務になったのかは覚えていない。×というものを望んみすぎて義務になったのかもしれない。もしくは何かしらのことが×を義務にしたのかもしれない。もう覚えていない。いや思い出したくなくて記憶の奥底に閉じ込めてしまったのかもしれない。それかしらも思い出せないわけだが。しかし×たいと思うと何故か胸が苦しくなるのだ。それを考えたくないとも思う時がある。自分が望んでいるはずなのに。何故だろう。自分にもわからない。誰か教えて欲しい。だが教えてもらってはいかないと本能が囁く。ならば自分はどうすればいいのか。そうだ。反対のことを思ったらこの胸の痛みがおさまるのかもしれない。そうだ。そうしよう。しかし痛みはますばかりだ。私は自分のことがわからなくなり思考を放棄した。考えないようにしたのだ。あぁ、心が落ち着く。束の間の休息だった。だが×という思いを無くすなんて不可能だ。自分でも分かっている。だが、しかし、いつかは、そんな無駄な考えが頭をよぎる。しかし誰かが無駄だと囁く。誰か。いや自分だ。自分でも分かっているはずだ。しかし分かりたくないのだ。もう嫌なのだ。×が望みだった頃はまだ逃げれたのかもしれない。だが義務となってしまった今もう逃げる暇はない。というかもう逃げれないのだ。×は義務なのだから。さあこちらにおいでそのにいるあなた。そう君だよ。君も×という行為を望んだことがあるかい?私はあるね。だが私のように義務にしてはいけないよ。私は×を義務にしてからいいこともあったが後悔の方が大きい。×の逆を望むようになっても×が義務なのだから逃げれないのだ。×の逆をするなど許されるはずがないからだ。どっちに転んでも後悔しか残らないだろう。だから望まないほうがいいとは言わない。私にいう資格はない。だが言ってもいいなら一つだけ助言しよう。義務にはしないほうがいいよ。そして他人に相談できる。したいという気持ちがあるならまだ希望は残っている。やめとけ。私の二の舞にはならないほうがいいよ。私側に来てしまったらもう後戻りはできない。あるのは絶望だけだ。私のことは忘れてもらってもいいがこのことは忘れないでくれ。約束だよ。向こう側の君。

さて、ここからは作者の独り言だ。読みたくないなら読まなくても構わない。ですが読むことをおすすめします。皆さんは×には何を当てはめて読みましたか?題名に沿って「生」を当てはめた方が多いと思います。もしこの話をもう一度読んでもいいと言う方は×に生きるの逆の「死」を当てはめて読んでもらいたいです。少し違う面が見えてくるっと思います。

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生と死 奈良 華 @mai012

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