青い空は嘘をつく

@_-Mio-_

第一話

 ここは、とある異世界。この世界には、たった一つの決まりがある。悪魔界に住む者と、天界に住むものは、関わってはいけない。関わった事が誰かにバレて通報されたら、呪いにより、死ぬ。

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 「どうしてよ!困っている人がいるのに、、なんで、、なんで、、なんで助けちゃいけないの!?そんなの、、間違ってるよっ!お父さ「…イブ。」」イブが話しているところを、父が遮って、忠告をした。「よく聞け。悪魔界は常に悪でなければならない。たとえ我が娘でも、次、このように悪魔の道に背くことがあれば………」父は、机の書類から手を離し、椅子を180度回し、イブの方を向いた。そして、言った。「お前の命は無いー…」

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 ここは悪魔界。「サ、雷電(サンダーボルト)……」少年のアオイが、悪魔の師匠のもとで、特訓をしている。それは、この世のことわりに背いている。もちろんバレたら2人とも命はない。「無理だ。」師匠のナツメが、冷たく言い放った。「でも……」アオイが何か言おうとした時、「まずお前の体から電気が発生していない。そんな基本もできないやつに4級の魔法なんてできるか?……無理だ。」この世界には、悪魔界と天界共通の「級」がある。11級が基本、そして1級が、まだ1人しか達成したことがない、最強。つまり、5級以上の魔法を使うには、最低でも、11級以上にならないと、使えないのだ。「、、サ、、サンダァボルトッッ!」何も起こらなかった。「いいか11級の勉強だぞ。よく聞け。魔力は空気中に二酸化炭素をのぞいて約48%含まれている。だが、その魔力を体に蓄えるためには、そのことを理解し、魔呼吸法をすることが大切だ。……やり方は、、こうだ。」ナツメが下を向いて、大きく息を吸い込んだ。そして、10秒ほどたってから、ゆっくり吐きながら顔をあげた。すると、彼女の口から、小さな白い光が漏れていた。これが魔呼吸法だ。「…こうだ。やってみろ。アオイ。」

ナツメのいつも髪で隠れている右目が、少し見えた気がした。

 ********

 「、ハァ、ハァ、、」アオイが目を覚ました。どうやら眠っていたようだ。「夢か……。まぁ当たり前だよな。僕みたいな落ちこぼれが、雷電(サンダーボルト)なんて使えるわけないもんね……。」その時だった。バキバキバキッ!どこかの部屋で窓が割れる音がした。そして、「貴様だな!天使の師匠をしているというのは!!」という大声が聞こえてきた。「っ!ア、、アオイ!裏口から逃げろ!う、、うわぁああぁあっっ!あ、ぐっ…………!」その後、大きな破裂音が聞こえた。僕は気づいた。夢にも忘れたことがない、あの、「呪い」の音。嘘、、師匠、、まさか、、。いや、今はそれどころじゃない。今は逃げるんだ!そう思い、僕は部屋を飛び出した。「おい!待てぇえ!ガキぃいいいっ!お前天使だなぁっ!殺すぅうっ!」後ろから恐ろしい声が聞こえる。逃げなきゃ、逃げなきゃ、逃げなきゃ、、、でも、どこへ!?「待てぇええっっ!!逃さんぞぉおおおっっ!!」アオイは必死に逃げた。しかし、アオイはまだ14歳なのだ。足も遅くなるし、体力もない。すぐに追いつかれてしまった。「捕まえたぞぉおおっっ!!!」ついに捕まった。殺される……!僕は死を覚悟した。でも、次の瞬間ー……

 ドォンッッ!「ぎゃああああっっ!!」突然目の前の男が叫び出した。何が起きたのか分からない。ただ、一つ言えることは……

助かったということだ。

「おい、お前!大丈夫か!?とにかく逃げるぞ!」そこには、髪がボサボサで、僕と同い年くらいのー…天使なのか悪魔なのかよくわからない子がいた。なんか、喋り方とか、ナツメ師匠みたいだなー…なんてことを思った。

 ********

 「ここなら安全だ。」その男の子が連れてきてくれたのは、薄暗い森の中にある、小さな家。彼は、中に入ってすぐのところで、座った。僕も、とりあえず腰をかけた。「、お前、名前は?」彼が聞いてきた。「、、僕は、アオイ。」僕が答えると、「アオイ……お前、アオイっていうのか?変な名前だな笑」「そ、、そんなこと、、」僕が言い返そうとした時、「俺は、レイクだ。よろしくな!」その子は手を差し出してきた。握手ということだろう。僕は恐る恐る手を伸ばした。「……うん、、よろしく、レイク。」僕が彼の手を握ると、強く握り返してきた。「で、、どうして天使が悪魔界にいるんだ?」「あ、、お、、お願い、、通報しないで、」「うん、いや、いいけど、なんで?」「実は……」僕が事情を話すと、レイクが言った。「、、それで、、逃げてきたのか。」「うん、、」僕は思わず聞いた。「レイク君は、悪魔なの?天使なの?」「いや、、俺はな、、うーん、、、両方!」そう言ってから、急に立ち上がり、ドアの方へと歩いていった。そして、「お前の事情はわかった。ならさ、、いっそ、、この世界を一つにしちゃおうぜ。」と言った。「どういうこと?」「つまり、俺達2人で、天界と悪魔のトップになるんだよ。」そう言うと、彼はニコッとして続けた。「一緒に、世界を変えよう。」

「……うん!」


 ーーー第一話、了

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