君の友達
「○○は元気でいいな。○○も普通に学校に行きたいしいっぱい遊びたい」
「たまにね。遊びに来てくれるんだよ。急に窓から入ってきて色んな景色見せてくれるの」
「○○も昔はいっしょに遊んでたのになんで遊ばなくなっちゃったの?また遊ぼうよ」
またあの女の子の夢だった
夢の記憶はあるのに、声がどんな声で姿や顔がどんな感じなのかも思い出せない。
僕にとってあの女の子はなんだったんだろ
「考えてても仕方ないな」
久しぶりに制服に着替え学校に行く支度をし、家を出た。
信号機について僕はどうして事故にあったんだっけと思い後で父と母に聞いてみようと考えた。
学校に着いて1日知り合いと喋ったり、授業を受けたりしたが夢の女の子と思われる人物とは会うことが出来なかった。
そして放課後諦め、帰ろうとした時
「時間大丈夫ですか?ちょっと聞きたいことがあるんですが」
1つ学年の下のリボンをつけた女の子に話しかけられついて行った。
「単刀直入に聞きます。○○の事あなたは覚えていますか?」
○○と聞いて思い出してみるが分からず首を振りながら
「この前まで事故で眠ってて…ごめんね。その子の事は分からない。」
そう答えると女の子は僕の方を見て軽蔑したような目で見ながら
「そうですか…ありがとうございました。」
そして去っていこうとする女の子の手を慌てて掴み
「待って、僕に聞いてきたってことは僕とその子はなにか関係があるんでしょ?何かあるなら教えて欲しい。」
そう言えばその女の子はその子について喋ってくれた。
その女の子との関係は病院で出会って、同年代だった2人はいっしょによく遊ぶ仲だったらしい。たまに何かが見えるとか変な事を言う事もあったが、その子はとてもいい子で親からどんなに何か言われたり、なにかされても親の為に頑張ってやろうとする子だったらしい。
僕は夢の女の子とその子はとても似ている気がした。
そして女の子に夢の中の女の子の話をすると少し驚きつつ涙を流して
「その子を見つけてあげてください。きっとその子は貴方のことを待っています」
と言えば僕に自分のスマホを渡してきた。
それは明らかにこの子と誰かが一緒に撮っている写真のようなはずなのにこの子しか映っていない写真だった。
「ここにいっしょにいたんです…でもあの子は急に突然私にごめんねって言って消えていったんです」
涙を流しながら普通はありえない話をする女の子に僕はこれまで起きている事を考えればありえないと思えず
「見つけてくるから泣かないで」
落ち着かせるように頭をぽんぽんとしながら慰める。
「見つけたら君も心配してるよって伝えたいから名前聞いてもいい?」
「私は優希です。お願いします」
お辞儀をするその子に頷いて優希と別れ家へと帰り明日に備えて眠りについた。
僕の大切な消えた人 @SAKI0820
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。僕の大切な消えた人の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます