if ユイカルート
──2年生、新学期
私には好きな人がいる。2年の同じクラスの如月ミナト。
向こうは覚えているかはしらないが、一年の時、ナンパされて困ってる時に助けてくれて、そこから意識しだした。
だから2年生で同じクラスになった時は、天にも昇る心地だった。
──だけど。こ、声がかけられない。い、意識してしまってどうしても……。
「ユイカ、どうしたんですか?」
親友のアリサが話しかけてきた。
「う、うん。あのね……」
アタシは正直にアリサに話した。なぜか話さないと一生後悔すると感じたのだ。
「へー!
「で、でも勇気が……」
「私が声かけてきますね! 如月くーん!」
「ちょっとアリサ!?」
♢
そして放課後に近所の公園で待ち合わせすることになったのだ。
「どうしたの?
「えっと……あの……そのぉ……」
「?」
やばい……心臓がドキドキして……上手く言葉が……。
「(ユイカ、ファイトです!)」
公園の陰からアリサが見守っている。勇気が出た。アタシは意を決して、告白する。
「ミナト君のことが好きです! 付き合って下さい!」
言い切った。目を閉じる。ドキドキする。断られたと思うと心臓が破裂しそうだ。
トントンと肩が叩かれる。恐る恐る目を開くとミナトが恥ずかしそうに笑っていた。
「俺でよかったら、ぜひ」
「!」
「やりましたね! ユイカ!」
アリサはが思わず陰から飛び出してきた。
「さ、早乙女さん!?」
「おめでとうございます! 2人に幸あれ!」
「あ、ありがとう、アリサ。アンタのおかげよ」
そこでキュルルとアタシのお腹が鳴った。
「あっ……///」
一気に顔が真っ赤になる。付き合ってそうそう、何をしてるんだアタシ! 幻滅させちゃうわ……。
「お腹空いてるの? ユイカさん。ははっ、よかったらうちで食べてく?」
「い、いいの?」
「私もお腹が空きました!」
「うん、早乙女さんもよかったら、来てよ」
「わーい!」
そこで2人でミナトの料理を堪能する。
「すごく美味しい!」
「たまらないですね!」
「2人とも普段、料理とかしないの?」
「うっ、出来ないわね……」
「はい、からきしです……」
「栄養状態大丈夫? 材料費さえ出してくれれば、ウチで作るけど?」
「いいの?」
「ユイカさんは遠慮しなくてもいいよ。だって、俺たち……恋人だろ?」
「う、うっ……そうね……」
「私もお願いしていいですか!?」
「ははっ、ぜひ」
「やりました!」
2人でミナトの料理を食べることになった。これからどうなっていくんだろう。
不安でたまらない。アタシ、ちょっとキツイ性格のとこあるから……。お
♢
「ねぇ、ミナトぉ〜、あたまなでなでして〜♡」
「はいはい……」
アタシはすっかり甘えん坊になってしまった。だって、ミナト優しいんだもん! 好き! 大好き!
今はひざまくらしてもらって、頭をなでてもらっている。これが最高に幸せなのだ。
「ねぇ〜、チュウも〜!」
「ユイカは甘えん坊だな……」
「えへへ、ミナト大好き〜!」
ミナトは優しくキスをする。でもアタシはそんなんじゃ物足りないから、もっと求める。
「ん……ちゅ……ちゅる……ぷはっ」
「ユイカはキス大好きだな」
「うん♡ ずっとミナトとこうしてたいわ!」
「ふふっ、甘えん坊のユイカもかわいいよ」
「ミナトぉ……好きぃ」
今更ながら、アタシのツンデレというキャラは木っ
「ねぇ、明日の晩御飯は〜?」
「ユイカの好きな目玉焼きハンバーグだよ」
「やった〜! アタシも出来るだけ手伝うわ! アリサも好物だから喜ぶわよー!」
「そうだね!」
「ミナト、アリサに浮気しないよね?」
急に不安になる。アリサはとってもかわいい女の子だから。
ミナトは優しくアタシにキスをする。
「俺はユイカだけが大好きだよ」
「う、うん! えへへ」
アタシの杞憂が吹っ飛とんだ。
今のアタシは最高に幸せだ。あの時に告白して本当によかった。
もし、あの時に勇気を出さなかったら全く、違う人生を歩んでいたかもしれない。
白馬の王子様を待つだけではなく、自らの手を伸ばす、ほんのちょっぴりの勇気。
「ねぇ、今度、遊園地に行きましょうよ!」
「うん、いいね!」
そんな勇気を持ってこれからも、アタシは生きていきたい。そう、彼と手を携えながら。
《完結》
学園1の美少女が実は生活力0でした!〜お世話をしている内に「もうアナタなしでは生きていけません」と言われた件〜 腹ペこ。 @koba5000
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