日常生活-1

いつからだろう?

父さんたちが帰ってこなくなったのは。




2人が不倫してるのは知ってる。

それでも、私は信じたい。

2人を。




「ふわぁぁーよく寝た」

「本当、よく寝てたね」




授業が終わりあくびしてると、愛美まなみが声をかけてきた。




「いやっだってさ……」

「昨日もだったの?」

「うん。ちょっと手ごわくてさぁ……」




私は陰陽師でときたま、おばあちゃんに頼まれて仕事してるの。

昨日みたいに夜中までかかる時もあるけどね。





「もう、仕方ないなぁ!さっき宿題出されたよ」




愛美まなみはややあきれ気味に言ってきた。




「えっ……」

「だからぁー!宿題!鎌倉時代についてのレポートを提出。ただし、源義経みなもとのよしつね源頼朝みなもとのよりとものことを必ず書くことだって」

「えぇー!?私、歴史苦手なのにぃー」

「まぁまぁ、明日から3連休だし、ちゃっちゃっとしちゃいなよ」

「あー明日から3連休なんだ。じゃあ暇だな」

明里あかりちゃん……」




最近、天后てんごう忙しそうであまりいないしな。

どうしよう。




「おーい!水城みずき!3連休暇ならデートしてやるぜ?」

「遠慮しとく」




また悠太ゆうたか。

この男子は、篠宮悠太しのみやゆうた

私のもう一人の幼なじみ。

愛美とゆうとは保育園の頃からの友達。



「即答かよっ!つうか、返事早っ!」

「何で彼氏でもない男とデートしなきゃいかないのさ」

「いや、そ、それは……」




全く!

ゆうもきちんと言えばいいのに。



「じゃあね!ゆう」

「バイバイ。ゆーくん」




私たちはゆうを無視して帰っていく。



「ねぇ、明里あかりちゃん」

「なぁに?」




神社の近くにある古い公園。

怖がって誰も近寄らない場所。

昔から大人達はいう。

この場所に近づくと不幸が訪れるとか。





「ゆーくんの気持ち、明里あかりちゃんは……」

「気づいてるよ。でも、ゆうは何も言わない」

明里あかりちゃん……」

「ごめん。愛美まなみ……あんたはゆうが好きなのに」



そう。

愛美まなみはゆうが好き。

私は2人が付き合えばいいって思ってる。

ゆうと愛美まなみはお似合いだと思う。




「ゆーくん、あんなだけど奥手だからね」



ゆうは見た目は一般的なチャラ男ぽくてもう引退したけど一応バスケ部だった。

そして。

部長もしていた。





それから。

私たちは、しばらく公園で話しをしてから帰った。



ゆうにも愛美まなみにも悪いと思ってる。

でも、このままの方がいいんだよ。

ごめんね。





そして。

家に帰りつくと。




“いつものように”お金と手紙があった。




仕事が忙しい母さんと父さん。

父さんは水城財閥の会長をしている。

そして、二人とも不倫している。

私の弟の龍稀りゅうき

剣道が好きで毎日遅くまで練習している。




私は、着替えて近所のスーパーへ買い物に行く。

育ち盛りの弟にコンビニ弁当ばかり食べさせれないし。





「ただいまー!」

「おかえり」



龍輝りゅうきは周りを見渡す。




「また、帰ってこない?」





私は苦笑いしながらうなづく。




「仕方ねーな。父ちゃんたちは」




私たちは夕食をすませ、さっさと片付ける。

ご飯のあと、龍輝りゅうきの眠気が来るのが早いから。




私も、昨日あまり眠れなかったから、早めに眠りにつく。

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これが我が一族の能力 葉月櫂斗 @uminoyakata

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