恋焦がれた重力

言の葉綾

恋焦がれた重力

重力が恋しそうに私にしがみついている

空を飛びたい私の背中の翼をへし折って

ここに立っていろ ずっと

そう吐き捨てるのが聞こえたよ


君のことが嫌いになれば私はこの世界から

見事に消え去ることが出来る

出来るけれど

まずあの子に話しかけてからにしてくれないか

空を飛んでいくのはあの子の笑顔をもう一度

見てからがいいから


引力が恨めしそうに私を睨みつけている

陸地へ翔けたい私の足を捻って

ここで座っていろ ずっと

そう唾を吐くのが見えてしまったよ


君のことが嫌いになれば私はこの世界から

見事に消え去ることが出来る

出来るけれど

まずあの子に「おはよう」と言ってからにしてくれないか

陸地へ翔けていくのはあの子の瞳をもう一度

見つめてからがいいから


何も予測できない未来に

何もかも伝わらない今に

どうしようもなく藻掻きたくなる

でもこの足で踏ん張ればいつか

気持ちよく生きていくことが出来ると信じている


君のことが嫌いになれば私はこの世界から

見事に消え去ることが出来る

出来るけれど

もう少し可能性を信じてからにしてくれないか

この世界からいなくなるのはもう一度

自分を あの子を

信じてからがいいから

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恋焦がれた重力 言の葉綾 @Kotonoha_Aya

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