ギャグもシリアスも書ける多芸な作家、北川ニキタ氏によるダンジョンものです。
今回は「鑑定というスキルが狂っており、強いモンスター等を全て弱いと判定してしまっている」ことがこの作品を面白くしています。主人公は最強クラスなんですが、鑑定のせいで自分は弱者だと思っています。
これは昔からよくあるダンジョン勘違いものの特徴ではあるんですが、いつもとほんの少し違うさじ加減により全然印象が違います。北川ニキタ氏の卓越した表現力もあり、全く違和感なく、むしろ新鮮味さえあります。
また氏の食事描写がとても好きです。他作品でも、ポーションを飲んでいる姿だけで笑わせてくれましたが、今作も毒物と同等の魔物肉を食べてるシーンがツボにはまりました。
一味違った王道のダンジョン勘違いものが見たい人にはオススメです。