第2話 同窓会で、やってはならないこと。それは…?ミステリーな悲鳴は、同窓会の後にもあがるんじゃないかと思います!
ミステリーな同窓会が、進む。
「あ、そうだ…」
もしかしたら、受付の色っぽいおばさんも、ネームプレート帽をかぶっていたんじゃないか。
彼が、気が付かなかっただけで。
心が、悲鳴をあげる。
さらに、ピンチ。
「…いやあ、久しぶりだねえ」
「え、あ、はい」
「なつかしいねえ、オンセンマツリ君?」
「あ、あのう」
「どう、一杯?」
言われて、仕方がなく、コップを向ける。
まずいぞ。
ずいぶんと老けた男性に、酒を、ふるまわれてしまった。
困ったぞ。
「こいつの名前が、わからない…」
ネームプレートの字が、読み取れない。
「…あ、そうだ」
その男は、字の汚いクラス担任だった。
困ったことは、他にも起きた。
小学生くらいの背格好をした少年が1人、教室に入ってきたことだ。
「この子、誰なんだ?」
いくら何でも、クラスメイトの1人とは、考えにくかった。
「だれかが、がきんちょを、つれてきたのか?」
その子が、はしゃぎ回る。
「あれ、きていないの?どうして?」
意味不明なことを言って、あたりを、飛び回り続ける。
「わかる、わかるよ」
酒をちょびちょび飲みつつ、彼は、飛び回るその子を見て、そっと、息を吐いた。彼もまた、迷子になったときや、だれかを探したりしていたときには、じっとせずに飛び回るクセがあったからだ。
まさに、そのときだ。
受付で見た、泣きぼくろのおばさんが、皆の集まる教室の中に入ってきた。
「ああ、いそがしい。今日は、定時で帰れるのかしら?早く帰らないと、だんなにも子どもにも、何言われるか、わかったものじゃないもの」
彼は、ぷっと、吹いてしまった。
大人になり働くようになると、皆、変わるもんだ。
そしてまた、面白いことが起こる。
先ほどまで飛び回っていた少年が、急に、おとなしくなってしまったのだ。
「じゃあね…」
少年は、そっとつぶやいて、教室から出ていってしまった。
しかし、妙だ。
クラスメイトたちは、誰も、その少年の存在に気が付いていなかった様子だから。
「それじゃあ!」
「お元気で!」
「君もな!」
「ええ、ありがと!」
彼は、だれにも、何も言うことができないまま。
同窓会が、お開きになった。
「あ!…あ!」
ようやく、彼は、泣きぼくろの女性の正体を、思い出すことができたのである。
それは、小学生時代の彼の、初恋の人だった。
「ふふふ…。あの子、だったのか」
笑うしか、なかった。
が、一瞬にして、凍りつく。
「帰宅したくはないが、帰宅しなければなるまい」
早く帰らないと、彼は、妻に何と言われるか、わかったものじゃないから。それに、受験生な強いJKである娘に、何をされるかも、わからない。
心が、さらに、悲鳴をあげる。
きっと、酔っぱらっていたんだろうな。
帰宅してから、その娘のベッドに入ってしまったのである!
すると…!
娘に、殺されますた。
今度は、悲鳴をあげる余裕もなかった。
同窓会も、ホラーです。
(ちょこっと短い話)同窓会な、ミステリー。家に帰ってからもまた、ミステリー。 冒険者たちのぽかぽか酒場 @6935
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