第4話 氷VS炎
「くくく...1人だ。やっちまおうぜぇ。」
茂みの向こうからまた別のチームが現れた。
「チッ...」
相手は4人、それに対しこちらは1人。どうしたものかとエドルは悩んだ。
「おっ、誰かと思えばエドルじゃねーか。」
チームの1人が口を開いた。
「知り合いか?」
「まぁ...ただの落ちこぼれ野郎さ。こいつなら俺1人で十分だ。お前らはこいつの仲間を探しに行け。」
「ならここはお前に任せた。」
作戦会議が終わったのか、3人が駆けだした。
「ま、待ちやがれ!」
エドルは3人の背中に向かって
「やめてもらおうか。―ホウセンカ―」
男は仲間を守るように火球を打ち出した。氷の弾に火球が当たると次々に弾け、相殺されていく。さらに弾けた炎はエドルにも降り注ぐ。
「ウワッッッ」
エドルは木々の陰に隠れ、炎の雨をやり過ごそうとした。しかし、炎の雨は止まないまない。
「逃げてんじゃねーぜ!出てきやがれ!」
そう言われてエドルは木の陰から出てきた。
「ただ作戦を考えてただけだ。」
「落ちこぼれの作戦なんか意味ねぇーんだよ!―ボタン・繚乱―!」
無数の火球がエドルに放たれたが、エドルは眉一つ動かさなかった。
「―
「馬鹿か!氷が炎に勝てる道理はねぇ!」
罵られながらも氷の盾は火球を防ぐ。表面が多少溶けているものの、氷の盾はヒビ一つなく、主を守る。
「クソッ!クソッ!なんで壊れねえ!なんで届かねえ!」
男は叫びながら、より激しく火球を放つ。それでも氷の盾は砕けない。
「魔法の相性なんざ練度でいくらでもひっくり返せるものだ。―
そう冷たく言い放つと、エドルはとどめを刺した。
「認めねぇ!認めねーぞぉー‼」
捨て台詞を吐きながら、男は爆散した。
「これで残りを追えるな。」
他に敵がいないのを確認し、エドルは仲間の元に向かい、走り出した。
―エドルがクラと戦っている一方、ソウガ達は残った二人と対峙していた。
「敵討ちってなんだよ!なんも知らねーぞ!」
「突如光線が仲間を消し飛ばした。そしてその光線が飛んできた方に向かったらお前らがいた。心当たりの一つや二つあるだろう。」
敵討ちという心当たりのないいちゃもんに対しソウガが嚙みついたが、状況説明を聞くと、
「あ、それ俺だ。ごめん。」
と素直に謝った。
「許すわけないだろう。」
謝罪が受け入れられるはずもなく、二人のうち大柄な方がソウガに殴りかかった。
「俺らだっておとなしくやられる訳にはいかないんだよ!」
ソウガが攻撃をよけ、臨戦態勢に入った。
砲の魔導士 TUREーZURE @TURE-ZURE
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