第3話 氷魔法VS土魔法
「く...どれくらい飛んだんだ...」
エドルはフラフラと立ち上がり、自分の飛んできた方角を確認した。50mくらいは飛ばされただろう。木々の向こうから戦っているであろう物音が聞こえてくる。
(早く戻らないと...)
そう考えたエドルは皆の方へと進もうとした。
「ちょっと待てぇい!俺を無視するんじゃねぇい!!」
声の聞こえた方を見ると、太った男が怒りながらこちらに向かってくる。
「お前に構ってる暇はねぇんだ、ダルマ野郎!!―
そう叫ぶとエドルは10発の氷の弾を男に向かって放った。
「俺の名前はクラだ!覚えとけ!―
太った男―クラの周りを土の壁が覆う。ガガガと音を立てながら壁に氷の弾が突き刺さる。
「俺の魔法は土魔法、そして俺はクリエイティブな人間だから土から色々作り出すのさ。―
ガラガラと音を立てて崩れた壁から現れたクラはそう言うと大地から生やした剣を引き抜き、エドルに斬りかかった。
「なめるなよ、ダルマ野郎。それくらいで
エドルは手を前に突き出し、空間から氷の剣を作り出すとクラの剣と斬り合った。ガキンガキンと鈍い音が響き渡る。
「ウォアァァァァ!!!!」
「ぐっっ...」
業を煮やしたのかクラは鍔迫り合いの状態からエドルに蹴りを入れた。まともに喰らったエドルは地面に倒れた。クラは剣を上段に振り上げ、とどめを刺そうとした。
「―
隙だらけになったクラにエドルは一発の氷の弾を放った。今度はクラが地面に倒れる番になった。
「早く倒されやがれ!―
クラはそう叫ぶと、無数の武器を作り出しエドルに向かって投げつけた。更には後ろに大砲を2基生成し、それもまた照準はエドルに向けられている。
「危ねぇな。―
エドルの前に巨大な氷の盾が現れた。クラの投げる武器も大砲の砲弾もすべてが盾を貫けず、粉々に砕け散った。
「なんで、なんでだぁぁぁぁ!!!!」
悔しさをにじませながらクラは叫んだ。
「残念だが、お前じゃ俺には勝てない。そろそろ終わりだ。―
「ぐわぁぁぁぁ!!!!」
エドルはクラの足元から巨大な氷の槍を生やすと、そのままクラを貫いた。串刺しになったクラは閃光と断末魔とともに爆ぜた。
「ハア...ハア...早く...早くあいつらの所へ...」
勝利の余韻に浸る間もなく、エドルは歩みを進めた。
「くくく...1人だ。やっちまおうぜぇ。」
茂みの向こうからまた別のチームが現れた。
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