最終話 ミソフォニアな彼女の付き合い方
最寄りの駅前についた俺は、白川が近くにいないか探した。
……すぐに見つかった。
白川はとてもかわいい服を着てきた。
「あっ!佐々木君!」
向こうもこちらに気づいたみたいだ。
「じゃあ早速遊びに行こっか♪」
「……!?」
最初は会うだけなのかなと思っていたが、
思ってたよりアクティブな人間なんだな。
「いいよ!行こう。どこに行く?」
今日はとにかく白川を楽しませるんだ。
白川に最高の楽しさを、味わってもらうんだ!
「最初はカラオケに行こう」
俺は白川の意見に賛成し、カラオケへと向かった。
確かにカラオケなら、俺と白川以外は部屋にはいない。
ミソフォニアの人にとってはうってつけの場所だ。
そしてカラオケに到着し、歌いまくった。
この前三上とも来たが、一緒に行く相手が変わると、
歌う内容や楽しみ方とかも変わってくるもんだなと改めて実感した。
もちろん家族と来るときもまた違う感じである。
2時間歌い終わった後、今度は近くのゲームセンター、略してゲーセンに向かった。
「クレーンゲームで遊んでいこう!私結構うまいから見てて!」
っと白川は、100円を投入し早速プレイを始めた。
宣言していた通り、クレームゲームの腕前はかなりうまい。
少ない金額で確実に景品を取っていく。
また取れる可能性の高い台に狙いを絞っている所もすごい。まるでプロみたいだ。
「結構すごいね。俺びっくりしたよ」
「褒めてくれてありがとう。良かったら佐々木君の好きな景品を取ってあげるよ」
「えっ!いやいいよ。俺が取るから」
「大丈夫大丈夫、だって私のことを助けてくれた借りがあるから、ここでお礼しなきゃ」
お礼してくれるなんて、とても嬉しい。シンプルにそう感じた。
その後本当に俺の欲しかった景品を取ってくれた。やはりうまいなぁ。
カラオケ、ゲーセンとたくさん遊んだ俺たちは、カフェでゆっくり、
飲み物でも飲むことにした。
……その時!彼女の様子がおかしくなってきた。
突然下を向き、また顔色も悪くなってきている!
「どっ、どうしたの?大丈夫?」
俺は思わず声をかけた。しかし白川から返事がない。
まさか!これはミソフォニアの症状なのか!
また俺が何かやらかしてしまったのか!っと、
色々と考えて不安になっていたら、LIMEの通知が鳴った。
そこにはこう書かれていた。
「近くにいる咳払いをずっとしている人がいて辛い……、この場を離れたい」
俺はその言葉を受け、飲み物をすぐに飲み終え、その場を後にした。
「佐々木君、ごめんね……私のせいで!」
「大丈夫だ。俺は例えどんなことがあっても、白川さんを守って見せる」
ミソフォニアという病気は、まだ俺には完全に理解できていない。
だがしかし、理解しようと努力することはできる。
少しずつ確実にミソフォニアのことを知って、より彼女と仲良くなりたいと思っている!
ミソフォニアな彼女の付き合い方、必ず完璧に理解して見せる!
俺たちの戦いは、これからだ!
レストルームラブ ミソフォニアな彼女の付き合い方 エリスラ @erisura
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