第16話 俺大きな一歩を踏み出す、FOOOO☆
「そうだ白川さん、今週の土曜日空いている?」
「えっ?どうして?」
「俺と一緒に遊びにいかない?前に言ってた鼻水の問題も解決したからさ、会って話しつつ遊びたいんだよね」
「どれぐらい改善されたの?」
「薬+鼻をかむことを意識するようになってから、油断しない限りは鼻をすすらなくなったと思う」
「本当?じゃあ行けるかも!土曜日に会いたい。最寄りの駅前で待ち合わせでね」
ついについに!女の子と実際に会って話すことができる日が来た!
まさかこんなに早く来るとは思わなかった!
これも俺と白川の努力のおかげだな。
「あっでも、これだけは言っておかないといけないことがあるかな……」
「言っておかないといけないこと?」
「もしかしたら私のミソフォニアのせいで、一緒に会ったとき迷惑をかけるかもしれないわ。鼻すすり以外の苦手な音で、辛くてその場にいられなくなるかもしれない。それでも……大丈夫?」
「ああ、その時はその時で対応するよ」
土曜日何事もなく終わるとは思っていない。
きっとなんかかんかのトラブルは起きてしまうだろう。
「ありがとう。それじゃあ土曜日楽しみにしているね」
「ああ、楽しもうね」
これで後は土曜日を待つだけだ。
ついに俺が待っていたことが叶うんだ!まだ先の話なのにすごいわくわくしてきた。
そして夕食の時間、俺は土曜日に白川と会うことについて話す。
「今週の土曜日、俺白川さんと会いに行ってくるから」
「おっ!ついにデートか!剛に彼女ができたのか!」
「違うって!ただの友達だよ友達」
姉はこういう話になるとすぐ食いついてくるんだよなぁ~
「剛!俺は嬉しいぞ~ついに息子であるお前にも彼女になる可能性が高い子ができるなんて!」
「それはまだわからないっつーの!」
「頑張ってね。お母さん応援しているから」
和気あいあいの会話が夕食の時間の間ずっと続いていた。
家族皆は余程嬉しかったんだろうな。女友達ができたことが。
まあここまで色々なことをして、病院で治療しようとしてまで救いたい女子は、
今回が初めてかもしれない……
そして次の日、さらに次の日と時は進んでいった。
土曜日のことを考えていたからか、あまり授業のことに集中できていなかった気がする。
一応三上との付き合いだけは崩さずいつも通りにはやったが。
そして迎えた土曜日!ついにこの時が来た。
俺と白川が会うその日だ。
俺は最寄りの駅前に向かって出発した。
出発前、家族に頑張ってと声をかけられた。
皆……必ず成功させるよ。ミソフォニアな彼女を救って見せる。
今日は最高の一日にしてみせるよ!
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