第15話 2人はそれぞれ新たな道を歩MU☆

俺と白川それぞれが、現状の問題を解決するために動き出す。


俺は花粉症の症状を良くするために、薬を飲む。


白川は聴覚過敏の診断書をもらうために病院へ行く。




あれから1週間が経った。その1週間で薬の効果が出たからか、


鼻水の症状や目の症状はかなり軽減された。普通の人に近い生活を送れている。


やはり病院に行くことは大切だなと改めて実感した。




ちょうどその頃、白川からLIMEが来た。




「聴覚過敏の診断書が無事取れた!本当に嬉しい!佐々木君のおかげだよ」




「それは良かった。これがあるだけでもだいぶ変わってくるからな」




俺は心の底から安心したような心境だった。


ついに俺は、一人の女子を救うことができたのだ!




「それで……この後はどうしたらいいの?この診断書を使うの?」




診断書をゲットしたことで、次のステップへと進んでいく。




「その診断書を担任に渡して、耳栓の使用許可を得るんだ。余程変な先生じゃない限りは認められるはずだよ。もちろんある程度の相談は必要だけどね」




ミソフォニアなのに聴覚過敏と偽り続けるのは、本当はあまり良くないことかもしれない。


だが現状解決するためには、これしかないのもまた事実。


嘘は時より必要なことである。




「わかった、やってみる」




あとはこれが成功することを祈るだけだ。


成功すれば相手はきっと生きやすくなるだろう。




そして次の日を迎えた。


その日学校では特に変わったことは起きなかった。


だが放課後、白川が担任に話しかけている様子がチラッと見えた。


俺は成功するように心の中で祈りながら、三上と帰った。




学校から帰ってきて少し経った後、大体18時ごろにLIMEが来た。




「やったよ佐々木君。耳栓の使用が認められたよ!」




「良かったな!」




俺の願いが無事通じた!嬉しい!ついについに!


一人の女の子を完全に救うことができたのだ。




「うん。これで明日から普通に授業を受けられるようになるかもしれない」




「担任はなんて言ってた?」




「耳栓を使ってもいいよー、だから少しずつ授業に参加できるように頑張ってね。って」




なかなか優しい担任だな。


俺の担任もなかなかいい方だが、白川のクラスの担任も優しい方のようだ。




「なら安心だね」




これにてほんの少しだけ、ミソフォニアの問題を解決してあげることができたかもしれない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る