番外編 あなたと共に
あれから数年。
「ママ!早く早く!」
「美世!危ないから走らないで!」
「はぁい」
と言いつつ元気に走っていく美世。
「はぁ、あの子は誰に似たんだか……」
と私はため息をつく。
「紬に似たに決まってるだろ。わかってるくせに」
「バレた?」
と私は拓也と二人で笑い合う。
「この子は拓也似かな?」
「どうだろう?生まれてこないとわからないからなぁ」
「でも、私はそうだと嬉しいな」
「俺も。……紬。体調は大丈夫か?」
「もう安定期に入ってるから大丈夫だよ。相変わらず心配性だなぁ」
そう。私は2人目を妊娠中だ。
「でも体調が悪くなったらすぐに言うんだぞ?」
「うん。ありがとう拓也」
拓也は今でも変わらず優しい。あの事故のとき生きた心地がしなかったけど、勇気を出して拓也に想いを伝えていて良かったと今でも思う。おかげで今、こんなにも幸せなんだから。
「ママ!パパ!早く!」
「はいはい。今行くから」
「ほら、早く行こう!あなた」
と私は拓也の手を引っ張った。
「えっ?ちょっ。まっ……」
拓也は初めての”あなた”呼びに困惑した。
ふふふ。このやってやった感が本当に楽しい。
あの事件から数年。私たちは変わらず仲良く過ごしている。この先もあなたと共に生きていくことができる幸せと喜びを噛み締めて。
どんな君でも愛してる 宮北莉奈 @rina24miyakita18
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます