人との間に波風が立つのが嫌で、笑みを顔にはりつけているけど、心の底から笑えてないってこと、誰よりもいちばんよく知っているのは、きっと自分。
そんな心当たり、ありませんか?
思春期まっただかなの高校1年生・彩楓も、まさにそんな女の子。
なぜか、学校イチのイケメン、響弥センパイに呼び出されて、
「付き合ってほしいんだ」「お試しでもいいんだ」
・・・って、なんで私!? 私でいいの!?
戸惑いと、嬉しさと、居心地悪さと。
他人と深く関わることに臆病なのは、きっと人一倍、感じやすく、だれかの悲しみに敏感だから。
蓋をして、ないことにしてきたはずの弱さや、ずるさや、痛み。
読んでいくうちに、しまいこんでいたあなたの記憶もろとも、きっとずるずると引き出されて、心のいちばんやわらかいところを刺激してくることでしょう。
でも大丈夫。
ありのまま包み込んで、「わたしはわたしで、いいんだよね」――
きっと、そんな気持ちにさせてくれる、優しい物語です。