彼女は明るかった
@vitaAGE
第1話
「やぁ!このっち!また一人なのぉ?仕方ないなぁ、ほら僕と帰ろ?」
今日もまた下校中に彼女、、、遥とあった。遥は幼稚園以来の付き合いだが、下校中にしかあった事がない。聞くと体が弱くて学校には行けなくて、でもなるべく学生に近い生活をしたくて病院から帰る時間を僕などが帰る時間に合わせてるらしい。ただ、僕としても下校中は基本的に一人なのでこうやって話し相手がいる事はありがたい。1人でいる事は好きだが、人と話す事は嫌いじゃない。それに彼女の前ならありたい自分を演じられる。
「そうだな。今日も一緒に帰るか。」
「よし、じゃあ行こー!」
こうして今日も一緒に帰る事になった。
そして、いつも通り新作のゲームがどうだとかそんなくだらない事を話しながら歩いていく。
しかし、歩いていると思ってしまうことがある。それは、いつまで一緒に帰れるのだろうか?という事だ。
遥はほぼ唯一の友達だ。この道でこの時間でいつまでも話していたい。
だが、きっとそう長くは続かないというのが分かってきていた。というのもこの頃遥は学校にも行けるようになってきて、そして、好きな人ができたらしい。
僕は彼女を誰かに渡したくはない。渡すくらいなら...
「そうだ、今日は海によって行かないか?二人で行ってみたかったんだ。」
「う、海⁈いいよ!夏だしね!」
一瞬戸惑いが生まれたが大丈夫だ。場所はどこでもよかった。海はかなり都合がいい。
そして、僕らは海に向かった。海と言っても東京湾だし、ビーチもない。だからやっぱり、人は僕たち以外誰もいなかった。やはり好都合だ今しかない。
「私、好きな人が居るんだ。」
知っている。そんな事。しかし、先手を取られた事で僕は相当焦っていると自分でもわかる。
「だ、誰⁈」
「それは、」
体が咄嗟に動いた。
「やめろぉ!聞きたくない。」
「大丈夫。全部わかって、いる...だ、から...」
「どうせ、男だろ?君がそんなんになるくらいならぁ!僕は!君をぉぉお!」
「やめて、私あなたを......」
「殺しちゃうぞぉぉおお!!」
遥は静かになった。僕の手は彼女の首を握しめて赤くなっていた。
「はぁはあ、遥?......ハハハ。君は僕のもののままだ。誰にも渡すか!あははは!」
僕は遥と帰るためにおこしてあげようとする。するとポケットから手紙が出てきた。書いてあることがなんなのか僕にはわからなかった。わかろうともしなかった。ただ涙が止まらない。きっと僕は何も間違えていない筈なんだ。そう、何も。
彼女は明るかった @vitaAGE
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