第四話 逆境の田縣くん
「まず初めに……ティバルさん、素晴らしい作品をありがとうございます」
自分の名前を呼ばれた後、自分の待機席からステージ中央のイケ場えと移動し、ゆっくりと腰を下ろしてから上座のティバルさんへとお辞儀をする
『なんだ、ドゲザってやつか? 服は脱がないのか?』
「まだ勝敗は決していないのでお礼には早いと、ぼっちゃまは仰っておられます」
やはりイケる為の花が無い事には勝負にならないという事なのか、
「お陰様で張型道の基本を思い出すことが出来ました。ありがとうございます」
『そうだろう。ここまで拡張するのは大変だったんだからな』
「良く分かりませんが、それならばよかったと、ぼっちゃまは仰っておられます」
「はい!」
そう言い、ティバルさん達からイケ台へと向き直る
イケる為の花を全部使われてしまったし、こんなに美しい作品をイケられたのだし、やはり敗北を認めてしまったのだろうか。
「委員長。一つの確認と一つの我儘をよろしいでしょうか?」
「ほっほっほ、なんじゃろか?」
今度は先ほどの委員長と呼ばれたお爺さんにこえをかける
「この会場の物なら、何を使ってもよろしいのでしたね?」
「そうじゃな。何を使ってもよい」
何か考えがあるのか、ティバルさんが聞いた事と同じ事を聞いて確認する
流石にそれはモラル的に禁じ手だと思うからダメじゃないから。
「それと、実はうっかり自分のイケ助手の登録を忘れていました。今から登録をしても大丈夫でしょうか?」
「それはうっかりしてたのう。よいぞ?」
「ありがとうございます。それなら問題ありません」
「
……成程、そういう事か!
「任せてくれ!」
なにやら体育館内でティバルさんや大会関係者の人が何か叫んでいる気がするが、そんな物はどうでもいい。
僕が目指す場所は体育館裏、菜園部の活動場所である校内菜園。
そこにあるのは夏の日光を浴びて艶やかに煌めく野菜達の健康的な肌と、可食部でありながら芸術的な曲線美を魅せる実や根の祭典。
果物や野菜はとても性的だ。
僕は生の果実や野菜を見ると雄蕊がエレクチオンしてしまう。
そして、僕は毎日、その日の一番の出来の果物や野菜でエア受粉をしている。
僕は体育館裏の校内菜園へ駆けつけると、予想通りに最高にぷりぷりとして艶やかに育ったピーマンの茎を切り取り、体育館へと踵を返す。
勿論。股間はエレクチオンしたままだ。
「
体育館に駆け付け、そのままステージへと昇って
「ありがとうございます。ようやくおちんちんが光ります」
その瞬間。
会場の全員がエレクチオンした。
『う、うわぁ! 今日ミニなのに!!』
『だから貞操帯を付けて下さいとあれほど』
「ほっほっほ、数年ぶりに勃ちおるわい」
会場中がどよめく中、
その瞬間。
会場の全員が射精した。
『うっ、こ、こんな事で!?』
『ま、まさか私までこうなるとは…』
「一歩先へ行けた様じゃな…」
会場中が騒がしくなり色んな所で混乱の声が聞こえる中、
そして少し悩んだ後、パリッとピーマンのヘタの辺りを齧り取って可愛い歯型を付け、再度イケ皿に乗せた。
その瞬間。
会場の全員が二度目の射精した。
『ダメだ、止まらない!!』
『あ、あひぃぃ! こ、こんな…』
「これ程とは…」
会場中が腰砕けになった後、
これにより、日本張型道は面子を保つ事が出来、アメリカンディル道に主軸を奪われずに済んだのだ。
この後、ティバルさんとエリザベスさんが僕の家にホームステイをすると言い出したのはまた別の話。
日本張型道 vs アメリカンディル道 @dekai3
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