仕組まれた崩落

鵜山 定水

〜序章〜

 遥か昔、空間に素なる光が生まれ、それは森羅万象を創造した。神々、畜生、植物、人間である。神々を除く全ての生物は軀體からだと精神に分類される。この軀體と精神が合わさっている状態を生といい、生の世界を合界かっかいと言う。これらが別れる時それが即ち死である。長い年月をかけ軀體は地となり、精神は天に昇りこれも長日月を経てそらの一部となる。この昊には神々が住んでいる。彼らは光が最初に創った生物であり、昊の支配者である。彼らは肉体を持たず光を貪り生きている。神々とそれ以外では明らかに世界が違う。その為、無窮に干渉する事は無いとされていた。

 しかしこの数百年、その条理は崩壊を辿っている。神々は激増し光はその輝きを失い始めた。光の届かぬ大地は枯れ果て、昊は久遠の夜空となった。それでも癒えぬ神々の空腹は遂に合界へと向けられた。枯死、斃死、物故、そうして獲てはならぬものを得た神々は罰を受け竜の肉体を強いられた。こうして生まれたのが堕神である。彼らは羽の他にも死や寿命という恐怖を植え付けられた。罰の存在を知った神々は合界への介入をやめ、限られた光を奪い合う神々の戦争が始まった。しかし降臨した堕神は神に戻れず、生物を屠り争いの火種をそこら中に撒いた。

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仕組まれた崩落 鵜山 定水 @monastic_knights

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