寿命があと7、8年と告げられた少年リズ・バートリー。
勇者や魔法が当然のように存在する世界で、魔力欠乏症と診断されてしまう。何もしなければ、そのまま潰えてしまう命。
そう、何もしなければ。
リズの身内である、じいちゃんは真実を知って落ち込むリズに言った一言は「じいちゃんがついてる」でした。
この一言の頼もしさ。
そして、「変わるか否かはお主自身にかかっておる!」
何もしなければ死んでしまう運命も、抗う事で……!
このストーリーは祖父と孫である、じいちゃんとリズを中心として進んでいきます。
前述の通り、じいちゃんのたのもしさに、リズが引っ張られる姿が微笑ましい……を通り越した二人の姿が。
まだ6歳だが、冷静で聡明なリズと筋骨隆々の逞しく頼りになるじいちゃん。時に、試練のような無茶振りをリズにするので、ついリズと一緒に「じいちゃーん」と叫びたくなってしまいます。
徐々に徐々に強くなっていくリズの姿と、清々しいまでに明るく豪快なじいちゃん。
そこに多くのキャラクターが加わり、軽快なテンポで進むストーリー。
オススメです。
30話まで拝読したレビューになります。
ライン王国のリターニアの男爵家に生まれたリズは、魔力欠乏症で寿命があと七~八年だと宣告される。冒険者として優れた才覚を発揮していた母に、魔石の研究者として首都で大成した父。二人とは似ても似つかない平凡な自分も、努力さえすれば何者かになれると信じていた。なのに、残された時間はわずか。努力する意味を見失いかけたリズを導いたのは、祖父のゴードンだった。二人は魔力欠乏症を克服するために、愛馬のスレイプニルを連れて修行の旅へ出たのだった。
この作品の根幹とも言えるのは「努力」です。他者から与えられたチートを駆使して成り上がるのではなく、どこにでもいる平凡な少年が、魔力欠乏症というハンデと向き合いながら「伝説の勇者のような冒険者になる」という夢を叶えるための修行の旅。他者や世界を変えるのは難しいけれど、自分自身は変えられる。それを教えてくれるムキムキで豪快でおちゃめなゴードンじいちゃんが魅力的。読者のアイドル的存在ですね、ムキじいちゃん。そしてずっと草を食べてる食いしん坊なスレイプニルもかわいい。このほがらかな旅には、リズの出生の秘密など、まだ明かされていないギミックもあるようです。
レベル1から順当に強くなっていく王道ストーリーが好きな方や、ほのぼのスローライフが好きな方にもおすすめです。ぜひご一読あれ!