幻影の王妃
新連載を始めた影響で、当作品の更新時間が変更になります。これからは基本毎日23時更新になります。
作者が高校に入ったばかりの時に考えていた作品をアレンジして投稿している新連載、『恋愛ゲームの裏ボスに転生したから裏ボス超えて『最強』目指す』ももしよろしければ、お読みいただけると嬉しいです。
◆◆◆
白く塗りつぶした結界の中に赤と青の光が飛び交う。これが『聖魔結界・
効果はどんなものか想像もつかないが……。
「『魔具』複合強化!」
ビエラの背後の空中に様々な『魔具』が現れ、そしてそれが闇の粒子となると、ビエラの双剣に吸収されていった。
「私はこの結界の中では、今までに見た魔法、魔具を再現して私の者として使うことができる。だから、こんなことも……ね! 『
ビエラは武器を強化しただけでなく、俺の魔法攻撃をそのまま俺に撃ってきた。なるほど、いい能力の結界だな。じゃあ俺も結界の能力を使うとするか。
「おいで、俺の最愛の人。『回帰する王国』ラズメイテ!」
足元に広がる薄い霧のような結界。結界というより領域にちかいそれは、俺の言葉に答えて、俺の最愛の人を再現した。いや、過去に生きていたその時から、呼び出した。
『全く、人使いが荒いんだから。「天突氷壁」!』
ラズメイテが呼び出した氷の壁は『
さすがだな。
「誰!?」
急に出て来たラズメイテにビエラは驚いているようだ。しょうがない、紹介してあげようか。
「俺の嫁のラズメイテ。愛称はラズ」
『前世のお嫁さんでーす!』
ラズはもう、あの時俺が世界を守れなかったおかげで死んでしまっているんだよな。でも、この結界の能力がある限り、魂が壊れてなければ会うことはできる。もし転生してると、転生先に人がこっちにラズを呼んでいる間気絶しちゃうから基本はやらない方がいい手段だけども。
さすがに転生するにはあまりに早すぎるので今回はまだ転生してないと踏んで召喚を行った。
「王子さま……結婚してたんだ……なんとか一桁に滑り込めないかなぁ……」
「なんか言ったか?」
「いや、何も? さぁ、戦いの続き、やらないとね!」
俺はラズの方に目線でビエラと戦う旨を伝える。
『一緒に戦うの、久しぶりだね!』
「そうだね。全力で、楽しもうか!」
俺とラズがビエラの前で戦闘体勢を取る。
刹那、ビエラが俺達に肉薄し、攻撃を加えようとする。おそらく、俺の魔具も再現、急襲しているのか、速度が先ほどとは段違いに早い。
だが、俺達に見切れないほどじゃない。まず、俺が双剣を使ってビエラの攻撃を受け止める。
同時に、ビエラの腹部をラズの拳がとらえる。
ビエラが閉じられた結界の壁まで吹き飛んでいく。さすがラズ、衰えてないな。
『内緒で嫁増やそうものならあなたもこうだからね!』
「今世で結婚するとしたら必ず報告します……」
あんなパンチを喰らったら俺でもダメージ受けます。やめてね?
あのラズのパンチはビエラには決定打になりえなかったようで、ビエラは自身の腹部に回復魔法を使いながらこちらに戻ってきた。
「私、さ、今の力でこんな風になるならもうこれ以上勝ち目見えないんだよね……。せめて、王子様の最高火力、みせてくれない?」
ビエラはどうやら、負けを認めるけど、最後の一撃は一番の者を見せて欲しいとのことだった。
『勝負がついたらなら、私は帰ることにするね』
「はやいね。もう少しゆっくりしててもいいんじゃないの?」
『こう見えて、もう転生してるからさ。じゃあ、また、会おうね? 多分すぐ会えるけど』
「お、おう、またね?」
えー!? ラズってもう転生してたの!? これは転生先マジごめんだわ……。
「あの? 王子様?」
「ああ、トドメ、最高火力を受けたいんだって? 欲張りだね」
ある程度俺の今の力を把握できたし、お礼に一発ぶっ放してみてもいいかな。
特異点の力、こんな所で使うのもなんかあれだけど。
「仕方ないから俺の切り札、見せてやるよ」
「ありがとう、王子様……」
記憶を取り戻す前はいつか使ってみたいと思っていた。
それが、俺の最も強い能力だった。
さぁ、詠唱しよう。あの力を使うために。
「――我が魂よ、根源より来たれ。その魂は全ての魂を統べん。我が忠臣たちの思い、力、魂、そのすべてを継いで、現世で力を発揮せよ。『
俺の頭に装備されていた古びた王冠を投げ捨てる。
同時に、俺の頭の上に紫色の水晶で形作られた王冠が現れる。ちなみに、なぜか少しだけ浮いている。
これが俺の最強の力を引き出す魂装。
さぁ、大魔王足る所以、みせてやろうじゃないか。
ネクロマンサー(笑)と馬鹿にされた召喚士、竜王と契約し人気配信者になる~ドラゴン幼女は最強です~ ニア・アルミナート @rrksop
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