第9話 またしても良くないと思うことを繰り返してしまった
剣道仲間から始まったA先輩、B先輩と私の三人仲間、私が4年生のときの6月、勢いでそういうことをしてしまったその後の関係についてだ。結論から言えば、また繰り返してしまった。
私の就活完全終了のお祝い+10月からアメリカ留学に出発するA先輩のお祝いと称して、(私が4年生のときの8月初め)バリ島旅行に三人で出かけることになった。楽しかった旅行の様々なことは全てカットして、あれのところだけ書き留めてみる。思い起こすにつけかなりの自己嫌悪だ。
旅行中、ふと気づくと二人の先輩の視線をたびたびカラダに感じた。旅行中ショートパンツばかりだったからかもしれないけど、ふとももとか、それからショートTシャツからでたお腹、あと胸にも。今回の旅行中に限らず、6月、ああいうことをしてしまって以来そう感じる。いや、気のせいかもしれない。前から一緒に遊びに行った時に視線は向けられていたのかもしれないし、そもそも男の人の多くは、無意識で女の子の体の各部位につい目がいってしまうということを聞いたこともある。しかし、私の意識可能かもしれないけれど、あれをしてしまって以降、なにか二人の先輩の濃厚な視線を感じてしまう。
旅行二泊目の夜、部屋で三人で飲んでる時、Bさんの視線が私の胸の谷間に落ちていたので、
「Aさんなんかちらみしてませんか?」というと「え?見てないけどなぁ」ととぼけるA先輩。
「いや、絶対見てますよ。エッチな目、やめてくださいよ」と、ふざけてA先輩の肩を叩く。するとB先輩、
「いや、ごめん。俺も見ちゃったりしてたかも。でもさ、ほら、あれ思い出しちゃうんだよ。こないだの。思い出すと辛いんだよね」と。
あ、あっちの方向へ話題が向かないようにしなければ、と思ったにも関わらず、
「そういえばAさん、Bさん、彼女まだですか?できる気配は?」と直接的な聞き方をしてしまった私。ビールを飲んで酔っていたに違いない。
「うん... ぜんぜん... 」と俯く二人。
そうか、じゃあ、そっち方面もまだ未経験なのか。というか私相手に二人に初体験させてあげて以来、ひょっとしてそういうことをしていないのだろうか。2ヶ月も。
「えー、もう、早く彼女作りましょうよ。彼女ならいつでもガン見できるでしょ?ほら、それに彼女がいればそういうこともいつもできるしね、たぶん」
「うん、そんなことわかってるけどさ、彼女になってくれる人現れる気配ないんだよね。」と、AさんBさんが口を揃えて言う。
「えー、じゃあ、しょうがない。私をガン見して気持ち落ち着かせてくださいよ。ほら。みてみて!」と、また調子に乗ってふざけたノリになってしまった。
するとマジで怖いくらい二人して私の体にねとっとした真剣な視線を向けてくる。
「ちょっと、怖いですよ、そんなマジな目で見ないでくださいよ」
さすがに私も恥ずかしくなった私はふたりから2mくらい離れて壁際に立った。
「あ、ごめん。でも見ていいって言ったから...」としょげる二人。
「もう、しょうがないなあ。じゃあ、もうちょっと見ます?」と言って、私はまたしても考えもなしに調子にのってTシャツを少し捲り上げた。無言で超マジな顔になる二人。
ま、いいかな。見せるだけなら、もう一度。こんなふうに挑発してしまった以上、見せるだけなら裸くらい見てもらってもいいかな、どうせこないだああいうことにまで及んでしまったのだし。・・・という気持ちになった。
「私のはだかでいいんなら、またみますか?それで気分が落ち着くのなら」ときくと、当然のように二人とも頷く。それをみて意地悪な感情が私の中に込み上げてきた。
「見てくれてもいいですけど、先に先輩二人も裸になってください。そしたら脱ぎますよ、私。私も、先輩のはだか見たいな」と、後から考えるとよくぞこんなこと臆面もなく言ったなぁ、と自己嫌悪が込み上げてくる。
AさんBさんは顔を見合わせて、ちょっと躊躇してから何も言わず、Tシャツを脱いで、次に短パンを脱いで、それからほとんど同時にパンツを脱いだ。なんかお恥ずかしがっている様子がかわいい。二人のそれは完全に上を向いていた。
「そこから絶対に動かないでくださいね。今日はその位置からみるだけですよ。」とちょっと強く言ってから、先輩二人から2m離れたところで思い切って一気に脱いで全裸になった。なんか急におかしくなってきた。爆笑してしまった。
「なんで三人みんな裸で向かい合って突っ立てるの?なんか私たち、間抜けですよね。」と思わず爆笑してしまった。二人は固い笑顔。あれを固くして上向きにしている全裸男性が二人で並んでいると言う状況に、さらにおかしさが込み上げてきて爆笑が収まらない。私だけ笑ってる...
あ、いけないいけない。こういうことをするのは先輩二人の尊厳を傷つけるのではないか。というか、こういうの女性による男性の性的虐待というのではないか。急に申し訳なく感じた私は、「あ、もういいですか?服着ましょうか?」ときくと二人はもっとよくユキちゃんの裸が見たい、と正直に言ってきた。なんだかますます可哀想になった私は、
「あ、もし嫌でなければ、あの、それ私がしましょうか?」と聞いてみた。何をするのか、何もいっていないのに頷く二人。
私は立っている二人の先輩に近づいてその前でひざまづいて、右手と左手それぞれに彼らの上を向いている状態のそれを握ってゆっくり動かした。こう言うシチュエーション、ポルノ動画見たことがあって、一度やってみたいと思っていたことの一つだった。そして思い切って口に入れた。一人ずつ、5秒くらいずつ交互に、3回か4回。
じゃあ、これでおふざけ終わりね! と切り上げようとしたところ、急に人が変わったように二人は私を強く押し倒してきた。あ、ちょっと待ってくださいよ、と言いかけたのだけれど、どちらかのモノが私の口を塞ぎ、そして下の方にもどちらかが、という展開になってしまった。ちゃんとコンドームしてくれてるのか心配になったけれど、いつの間にかつけている。しかも挿入も今回は普通にできている。こないだ何度もしたからか、二人とも前回まで童貞だったのに、あっという間にコツを掴んだのか。しかし一方的にガツガツしてくるのは、まだ童貞的なのじゃないか、二人の先輩は。二人とも私の口と下の方で1回ずつ射精したところで、ひとまず気が済んだようだ。そうか、AさんBさんは2回が満足回数か。少なくてホッとする。しかも所要時間二人ともが2回果てるまで合計10分弱。口が1分程度、下の方が入れてから数十秒。超早い。すぐ済んでくれるのでありがたい。
ひとしきり落ち着いたところでA先輩が、「俺たちばっかでごめん。ユキちゃん、口でさせてもらえる?どうすればいいかわからないから、言われた通りにするから」という、涙が出るような優しい提案。けど、このままその部分に口をつけられるのはいやだ。二人に散々入れられた後だし、もし口をつけてくれるのならシャワーを浴びたい。でもシャワーを浴びてきて、さあ、してくださいというのは恥ずかしすぎる。それに口でするのはあすかへの裏切りという気がする。二人のを口に入れたり、中に入れさせておきながら何をいうのか、とも自分で思うのだけれど、でも私へのクンニはあすかちゃんだけ、という思いが強い。そうじゃないと浮気したことになってしまうような気がする。我ながら変な倫理観だ。
・・・結局、先輩二人とまたこういうことをしてしまった。でもとても気に入ってくれたようなので、なんか自己肯定感が高まる思いだ。前回まで童貞だった二人が自信を持ってこういうことができるようになるようにしてあげたのは私だ、と自画自賛してみる。
とはいえよくないことしてしまっているにちがいない。先輩であり友人である二人とのコミュニケーションの一形態なのだ、喜んでもらえているので良いことをしているのだ、と解釈しようとしてはみたもののやっぱり罪悪感がある。
それになにより、はるかちゃんだけでは、もしかしたら満たされていない肉体的な欲求が私の中にあって、それがAさんBさんとのこういうことで、満たそうとしているのかもしれないと思ったりする。しかしそう思ってしまうこと自体にも罪悪感を感じる。やっぱり私の体は男の人を求めてしまうのか、と。
別れと新しい恋、そして多分よくない関係 岡玲南 @okareina
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