第8話 恋人関係になってしまえばみな同じ?
はるかとの恋愛が始まって、週2、3日は私の家に泊まるようになった。そして一緒に朝、大学へ行く。はるかは井の頭線のキャンパスだけど私は丸の内線のキャンパスだ。
お互いバイトがない日の夜は私の家で過ごす。一緒にご飯を作って食べて、そしてベッドに。一緒に過ごす時間のほとんどがはだかなので、服いらないかも、と思ってしまう。
こういうのって、たぶん、男の子と付き合っても似たようなパターンになるのだな、と思った。ジュリアンの時もそうだったし、その前の彼の時もそうだった。じゃあ、相手の性別は関係ないではないか。
でも女の子と付き合ってるんだ、とはなかなか他の友達には言えない。やっぱり自分の中になにか罪悪感がるのかもしれない。同性同士恋愛してはいけないというような。私はたぶん同性愛者ではないと思う。今まで二人の男の子と付き合ってたし。でも同性も求めているのかもしれない。高校の時は同級生の女の子が「彼女」だったし、イギリスでも時々アーダと体を重ねる関係になった。気持ち次元で求める性別と肉体的次元で求めるものがどう重なるかで恋愛対象が決まるのかも。よくわからない。考えても仕方ないので、好きなものは好きということでよいだろう。
いずれにしても高校生の時以来、こうして女の子が恋人になった。高校の時は恋人になったからと言って、体の関係にしょっちゅうなるわけではなかった。もっとプラトニックというか、そういうやつだった。裸で抱き合ったのは3回しかなかった。でも正直言えば、少なくとも私の方は欲望もあった。時々相手を思って、一人でしたりした。裸で抱き合ってくっつきたいといつも思っていたような気がする。でもその場所が無かったし、相手に変に思われたら怖いなと思って抑えていた。だから3回ほどそういう状況になった時のことは鮮明に覚えている。肌の感触も蘇ってくるようだ。ただ何もせず裸でぎゅっと抱き合ってただけだったけど。
はるかとの関係は、高校の時の彼女との関係と違うところが一つあって、それはほぼ毎回裸でくっつき合うということだ。たぶんこれはセックスというのだろう。彼女が積極的で私の部屋に来た時は例外的な日を除けば毎回する。だいたいが彼女が私を押し倒すという形で始まる。そうでない時は私が彼女に寄りかかって彼女にキスをするのをきっかけに始まる。
おかげでジュリアンと別れた後、猛烈に感じた人肌の恋しさ、お肉が欲しい!という体の内側でぐるぐると渦巻く欲求不満はほとんど感じることがなくなった。
ただ女同士なので、あの物体が体の中に入ってきて男の人が求めるその瞬間にむかって自分の体の感触が相手に求められているという、そういう満足感は味わえない。そういう求められ方をされたいと実は自分が思っているということを、はるかと付き合って初めて気づいた。あと自分の中にそれが入ってくることそのものに対する欲求が実はあることを、それが入ってこないあすかとのセックスではじめて気づいた。
・・・と、考えてしまうことを除けば、恋人関係に性別は関係ないな、と思った。
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