平行セカイ回想録

佐久山咲@てーふ

学パロPrologue

桜が舞い散る春。全身黒ずくめで黒く長い髪の少女、榊巫女はこれから始まる二年生生活を______別に楽しみにはしてなかった。







「あー、遅刻遅刻!!!」

銀髪ときれいな赤い目と左目の下の黒子が印象的な少年、長月狂は遅刻しかけている。これで何回目だろうか。車にも負けない速度で走っている。異能の無駄遣いだ。近所のおじいさんが驚いた目でこちらを見ていることなど気にせずに走り続ける。

「あと1分...瞬間移動使おう。」

見事場所をミスって壁に激突した。

「痛いなぁ。まあいいや。どうせ異能で治せるし。」

「こら長月!これで去年合わせて170回目だ!!!」

今日は始業式である。狂は二年生だ。つまり、ほとんど毎日遅刻している。

「遅刻原因は何だ!?」

先生は怒鳴る。

「えーと、家にピラニアが223匹送られてきてどう処理しようか考えてた。」

「嘘をつくな!あと敬語使え!」

「せんせー。」

巫女が手をあげる。

「なんだ巫女?」

「バトルすればいいんじゃないですか?」

この学園にはルールがある。それは、バトルで勝てば許される、というものだ。

マフィア構成員を育成する学校でもあり、能力者が集う学校でもある。冷蔵庫のプリンやケーキを食べられた問題のような軽い問題から大量殺人までなんでも許されてしまう。

狂は学園でトップの能力者であり、問題児でもある。

今年配属されたばかりの先生は狂について何も知らなかった。

「ああ良いぞ。俺に勝てば遅刻を許してやる。」

「本当!?」

狂は無邪気な笑みを浮かべながら、闘技場へと向かっていった。

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