第2話「そっか恋人になれたんだ……。ふふっそっか」

 恋人になって次の日。蛍が部屋に訪ねてきた。

「はやと〜会いにきた」

「……おう」

 部屋に招き入れてテーブルの向かい側に蛍が座った。

「……」

「……」

 んっ……。

 ゲームをしている最中だが蛍の視線がチラチラと送ってくる。

 いつもなら気にしないが……少し気持ち的にざわつく。

「あの隼人」

「ん?」

 蛍は自分の足でくっつけながらリズムを取っていて手も指を交差させながらこっちを見てきた。

「私たちって、恋人になったんだよね」

「なったな……」

「そっか恋人になれたんだ……。ふふっそっか」

 蛍が嬉し方に微笑んでいた。

「……」

 可愛いと感じた。

 気持ち的に蛍の笑顔が好きだなと感じたら頬が緩んでいてニヤついていた。

「ねぇ隼人。ゲームが終わってからで良いからハグしたい」

「……っ!」

 ハグと言われて思わずドキッとしてしまった。

 いつもは良いよと流すような感じだったが今、嬉しさが倍増しているのがわかった。

「今、良いよ」

「あっ! やった!」

 蛍がテクテクとこっちに近づき両手を広げていた。

「ハグ、バグ!」

 コントローラーを置いて立ち上がり蛍にしがみついた。

「……隼人あったかい」

「蛍も……暖かい」

 部屋がヒンヤリとしていて蛍も気持ち的にヒンヤリとしているがそれでも嬉しい気持ちになってで蛍があったかいった。

「……えへへ。ありがとう」

 蛍が少し離れテレビの画面をみていた。

「今日は何してるの?」

「ゲーム」

「そっか、ゲームかー」

 蛍が嬉しそうに微笑んでいた。

「いつものゲームしてるところ見せて」

「良いけど、蛍が暇になるぞ」

「うん。隼人にくっついているからいいよ」

 くっつく?

 蛍がその場にしゃがみ込みフローリングを叩いて座って欲しいと合図を出してきて、俺もしゃがみ込みコントローラーを持ってゲームを再開した。

「……んっ」

「っ!!」

 蛍が俺の横の肩と足をくっつけてきた。

「……やりづらい? 嫌だったら離れるけど?」

「あったかい」

 なんなら体全体が熱くくっついているところの方に意識してしまうほどで嬉しかった。

「……嬉しいです」

「おっ! ……そっか、頑張れ、頑張れ」

 俺のモモをトントンと優しく触れてきて応援してきた。

「……ひと段落したら一緒にゲームしよう。蛍と遊べるのを増やしたい」

「あっ! うん、一緒に隼人と冒険できるのがいいな」

「わかった……ペンタでいいか?」

 蛍に勧めたのはペンギンがモチーフの横スクロールアクションで2人以上で遊べるゲームのことだ。

「あっ! ペンタ一緒にやりたい、隼人と冒険出来るの好き」

「俺も……好きだよ蛍」

 蛍に好きと言われドキドキとしていた。

 すぐさまソフトを終了してペンタを起動させた。

「よし頑張って2人でクリアーしよ!」

「頑張るか……」

 蛍の笑顔を見届けながら2人でゲームを楽しんだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

隣でそばにいる幼馴染 二髪ハル @2kamiharu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ