第2話 記憶

「奏良‼︎早く起きて学校遅刻しちゃうよ!」

月曜日の朝に結奈が家に来てベッドの側で僕を見つめ声をかけてきた。

「結奈、あのな毎日来なくても僕は一人で起きられるよ」

そういいながら僕は学校に行く服装に着替えて結奈と一緒に朝ごはんを食べた。

「行ってきまーす‼︎」と二人で家を出た。

「奏良!あと少しで夏休みだね今年はどこ行くのかな」

「さあ、どうだろうな。今年は暑そうだし海とか川とか行きたいな」

「そうだね、最近は暑いし海行きたいなー」

なんやかんや二人で話しているとあっという間に学校に着いた。結奈とはクラスも三年間同じで席もずっと隣で何かをする時も殆どの時間を一緒に過ごしていた。

学校に来る前は雲ひとつない快晴だったのに窓の外を見ると大雨で帰るにも帰れない状態だった。先生たちは緊急で全校集会を開き生徒に帰りの準備をさせ体育館に集めた。

「ねえ奏良、ちょっと怖いから近づいてもいい?」

そういい結奈は近づいてきた。

「ゲリラ豪雨のため安全を考慮して保護者と一緒に帰ってもらいます。親が来れない場合は私たちでタクシーを使い家まで届けます。」

と担任のみなと先生が真剣な顔で言った。

「結奈こっちおいで」

少し怯えていたを優しく抱きしめた。

「奏良、もう大丈夫だよ。ありがとう」

そうして僕らは保護者が来るのを待っていた。

「おーい、結奈、奏良!帰るぞー」

体育館の奥から結奈の母親の声がした。

「結奈のお母さん来てくださってありがとうございます」

結奈はすぐにランドセルを背負い母親の元に走って行った。自分も結奈について行くように結奈の母親の元に向かった。

かんなぎ先生、奏良の母ちゃんが来れないって言ってたか今日はうちで預かるぜ」

「了解です。奏良君良かったね」

そう言い結奈の母の車に乗って家へと急いだ。

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夏の天使〜最期に会えたのが君でよかった〜 社会不適合者。 @Felze

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