第6話
「はぁ…それで私達が入部する事は決まったけど、部を存続させるには後何人必要なの?」
村上さんへのお兄さんの抱きつき攻撃が終わった後……村上さんはお兄さんにそう質問する……
「ウム……顧問の先生によれば……後2人は欲しいみたいだ……」
「後…2人か〜」
後2人……入ってくれそうな人といれば……
「あの…質問…良いですか?」
「「ん?」」
「ここの学校って……部活の掛け持ちはOKですか?」
「掛け持ち……勿論OKだ」
「え? 兄貴…掛け持ち大丈夫なの?」
「あぁ… この学校は生徒の気持ちに合わせてるらしくてな……やりたいと思った事は…掛け持ちだろうが、何だろうが、遠慮なくやれるようにしてくれているらしい……」
生徒の気持ちに合わせる……優しい学校だな…….
掛け持ちが大丈夫なんだとしたら……1人入ってくれそうな人は見つかる……
それは実だ……..岡前実…….
彼はサッカー部に所属しているので、部活の掛け持ちが不可ならOUTだったが、この学校は、しても大丈夫なそうなので実を誘う事が出来る……
実なら性格も良いし…人の相談にのって、上手く解決出来そうな気がする……
「塩宮君……誰か入ってくれそうな人っていたりする?」
村上さんは僕にそう質問してくる。
「うん…掛け持ちが大丈夫なら1人いるかな」
「ほんと? 私も入ってくれそうな人….1人いて声掛けてみるから、塩宮君もその人に声掛けといてくれない?」
「うん 分かった」
「うぉおおお!! 2人共、相談部の為にありがとう!! 良いぞ!! この調子で行けば部活は存続出来そうだ!!」
村上さんのお兄さんは少し変わっているが、根はとても良い人なのかも知れない……
部活の為にこんなに動ける人なんて、他にいないだろう……
「いえいえ….僕らも相談部になったので、これ位のこと当然ですよ」
「そうそう 相談部に入ったからには、やっぱりそれなりに部活を存続させるように責任感を持ってやらなくちゃ!!」
村上さんも見た目は美人ギャルだが、やると決めたからにはキッチリとやり通す人なのかも知れない……
僕も責任感を持って、部活に挑まなきゃならない……
「あっ!!そうだ!! 2人とも、まだ部室を紹介してなかったよね? 相談部は基本…部室でやる事になってるから、教えておくよ!!」
そう言うと村上さんのお兄さんは、部室棟に向かって歩き出した……
我々の学校では、部室棟というものが相談している……部室は、その部室棟の中にある為、部室棟の位置を確認しなくてはならない…….
しばらくお兄さんの後をついて行くと体育館横に建物が見えてきた……
ここが部室棟なのだろう…….
「ここが部室棟さ〜 我々相談部の部屋は1階だから覚えておいてね〜」
そう言うとお兄さんは部室棟に入り、奥へ進んで行った…….
奥の方について行くと、相談部と書かれた部屋があったのだが、部屋の前に誰かいる……
女子生徒だ……
「兄貴〜 誰かいるみたいだよ? 相談者じゃない?」
「あぁ….そのようだな…….少し声を掛けて見よう!!」
「…….っあ!!」
お兄さんが声を掛けようとした所で、その女子生徒は我々に気付いた……
女子生徒は僕達と同じ1年生だろうか…….背が小さく、おかっぱ頭である……
目はパッチリとしており、小動物系を感じさせ癒される見たいな可愛さを出していた…….
言わゆる癒し系キュート女子といった所か…….(今思い付いた)
「あれ?? ってか千佳じゃん!! どうしたの?相談部に用事?」
「……っあ!! な…….夏樹ちゃん!! そ…そうだよ…… そ…….相談したい事が…….あ….あったから…….!!」
「んん?何だい君たちは知り合いだったのかい?」
お兄さんは村上さん達にそう質問した……
「そうそう!! 彼女は宮内千佳ちゃん……私と同じクラスで、よく喋るんだよ〜」
村上さんはそう言って、宮内さんを紹介していく……
宮内さんの方は……恥ずかしがり屋なのか…….顔を真っ赤にして下を向いている……
「そうだったのか!!僕の名前は村上優也!!相談部さ!! どうぞよろしく!!」
村上さんのお兄さん優也さんは、そう元気に言うと、宮内さんに握手する……
「み……宮内……ち…千佳…….です……!! よ……よろしくお願いします……!!」
宮内さんは顔を真っ赤にしながらも優也さんに握手をする……
何か….癒される…….
「千佳ちゃん…….人見知りで恥ずかしがり屋だから、皆優しくね〜」
村上さんはそう言うと、宮内さんに微笑みかける…….ギャル系と…….小動物系……ありかもしれない……..
「あ….そういえば僕の名前は…塩宮凪斗です…高1です…よろしくお願いします」
「……あ……よ……よろしくお願いします…….!!」
僕が自己紹介を済ますと、宮内さんはやはり顔を真っ赤にしたまま、挨拶を済ます……
これはやはり癒されるな〜
「さてと……お互いの自己紹介を済ませた所で、皆、中入ろうか〜!!」
優也さんはそう言うと、部室のカギを取り出し、部屋を開けた…
扉を開けるとソファーが向かい合ってあり、その間に机があった……
さらに奥には部員用の椅子と机が何個か向かい合ってあり、机の上には書類が綺麗に重ねて置いてあった……
「まぁ….立ち話もなんだし….座って座って〜!!」
そう言われると、宮内さんはソファーに座る….僕と村上さんも宮内さんが座った向かい側のソファーに座る………
優也さんは奥にある部員用の椅子に座る……
「い…今…思ったんだけど…….な….夏樹ちゃんって…….そ…相談部…….だったんだね…….!!」
「あ〜うん そうだよ〜!! ついさっき、なったばかり何だけどね〜!」
宮内さんは顔を真っ赤にしながら、村上さんに話しかけている……
相談内容にもよるが……ひょっとしたら…同じクラスで仲の良い村上さんがいる事で、宮内さんは相談しにくいのかも知れない……
何せ、わざわざ相談部に来る程の事だし……相談なら友達にもできるしな……でも村上さんは何も知らないみたいだし…….
「あ……千佳ちゃん….もしかして私がいたら、相談しにくい事だった?」
村上さんは察したのか….宮内さんにそう聞く……
「う…ううん!!ううん!!そ….そんな事無いよ!! 夏樹ちゃん!! た….ただ男性側の気持ちも知りたいなって思って…相談部に来たんだ!! 相談部だし….男の人もいるって聞いたから…….!!ほ….ほら… わ….私 男の子の友達いないし……!!」
宮内さんは慌てた様子で、首をブンブン振ると、そう答える…….
「そう? なら良かった〜」
村上さんは笑顔でそう答える……
「それで…どんな相談なんだい?」
優也さんは宮内さんにそう質問する…..
「は….はい…!!あ….あの….ここの相談部って….100%無理な事でも相談にのってくれますか……!?」
「そ…それは宮内さん….どういう事?」
宮内さんの発言に僕はちょっと困惑してしまう……
「は….はい!! わ….私….実は前から好きな人がいて…… ずっとその人の事想ってたんですけど….そ….その人….つ….ついに出来ちゃった見たいなんですよね……彼女…….」
宮内さんは下を向きながらも、そう僕達に説明をしてくれる…….
「へ〜千佳ちゃんが恋か〜!! 良いね 青春だね!! ちなみにその千佳ちゃんが想いを寄せてる人は誰なの?」
笑顔で村上さんは、宮内さんにそう尋ねる……
「そ…それは…あ…赤坂先輩…です……!! 」
「……………………」
赤坂先輩……その名前は僕も知っている……
僕の好きだった幼馴染である高橋泉の…恋人だからだ……
幼馴染に好きな人がいると分かった時の対処法 ゆうちゃん @Yuto74
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