経口補水液落語
氷室凛
第1話
「よっ、おめぇさん知ってるかい? 経口補水液、っつう、身体の中の水分が少なくなったときだけ甘く感じる摩訶不思議な飲み物があるんだが」
「おう知ってる知ってる、なんでも普通のときに飲んでも塩っ辛くて飲めたもんじゃねぇってハナシだろ。それが甘く感じるなんて、そんなこと本当にあるもんかねぇ」
「俺もそう思ってよぅ、一刻ごとに経口補水液を口に含んでみたことがあるのよ。けどダメだねありゃあ。いくら経っても塩辛いまま、飲めたもんじゃねぇぜ」
「……そりゃおめぇさん、一刻ごとに飲んでたら、それは『こまめな水分補給』ってやつじゃあねぇのかい」
経口補水液落語 氷室凛 @166P_himurinn
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