【短編】貞操観念逆転世界に転生して、ショタおねを全力で実現するために努力する男の子の話

キョウキョウ

短編

 ショタおねというものに僕はドハマリした。なんて素晴らしいものなんだろうと、出会った瞬間に目覚めてしまった。これが、僕の求めていたもの。


 おねショタと似ているが、微妙に違うもの。年上の女性と年端も行かない少年とのカップリングだけど、主導権を握るのは少年側である。逆なのだ。


 僕は年上の女性を甘やかせて、癒やしで溶けている表情を見ていたい。これは熟女趣味とも違う。あくまで登場人物は、お姉さんと少年であるべき。


 そこから僕は、様々な作品を漁った。年上の女性と少年の組み合わせ。成人向けも色々と。


 妄想も繰り返した。自分が当事者として、少年の視点で物語を考えるのだ。だけど残念ながら、妄想でしかない。二度と戻ってこない少年時代。年齢的に叶えることは出来ないから、叶わぬ夢。この先、絶対に手にすることのできないだろう。


 だけど願望は消えずに、僕の中にずっとあった。それは、交通事故で死ぬ間際まで消えなかった想い。そして僕は、転生した。




 赤ん坊に生まれ変わった僕は、まず最初に考えた。夢だった、ショタおねの世界を実際に体験できる。当事者として、そのシチュエーションを経験することが出来る!


 だけど、油断してはいけない。少年時代なんて、あっという間に過ぎ去ってしまうから。早いうちに準備しないといけない。そこに、僕の人生を全力で注ぐ。


 少年に成長するまでに、まずは僕好みのお姉さんを見つけないと。そして、仲良くなってから心を許してもらえるような関係に。頼ってもらえるような存在になるための下地作りを、今から頑張る。


 周りから愛される仕草や言動の練習、成長しきっていない身長、筋肉の少ない体、声変わりしていない高い声などなど。ショタおねという素晴らしい世界の登場人物に相応しい要素を、出来るだけ揃えるんだ。


 そして僕は、彼女たちと出会った。




***



 私が彼と出会えたのは、本当に運命だった。彼のような男神と出会える人生なんて一ミリも想像していなかった。私のような女が、実物の男と一緒に過ごせるなんて、本当に夢みたい。しかも、彼は若い少年だ。この奇跡を、私は存分に堪能する。


「あぁ、疲れたぁ」


 仕事が終わって家に帰ってきた私は、床に寝転ぶ。そのまま寝てしまいそうなほど疲れていた。その時、頭上から声が聞こえてきた。


「お疲れだねぇ。お仕事、大変だ」


 疲れて床に寝転んでいる私の頭上から、男の子の声が聞こえてくる。そして、頭に手の感触。撫でてもらっている。小さな手のひらで、ナデナデと。それだけで仕事の疲れが一気に吹き飛ぶ。


 こんな子どもに慰めてもらうなんて、女として情けないかも。だけど、こうやって甘やかせてくれる彼の包容力に、全力で身を任せたい欲求には抗えない。大人の女性とかなんて、関係ない。この安らぎを与えてくれる相手が、子どもだって構わない。彼が甘やかせてくれるんだから、今この瞬間を堪能しなければ。


「もっと、撫でて」

「はいはい。どう?」

「うん。いい感じ」

「本当に、疲れてるね。晩御飯は?」

「たべさせてー」

「あーん、してあげるけど。この体勢じゃ、こぼしちゃうね」

「……あーん、してくれる?」

「もちろん。いいよ」

「やったー」


 彼のほっそりした腰に抱きつく。嫌がる様子もなく、受け入れる。この子は本当に警戒心が薄すぎる。女性から、こんなことをされたら嫌がるのが普通なのに。若い子なら特に。


 もしかしたら、性の知識が乏しいのかもしれない。そう思ったこともあるけれど、実のところ彼は知っている。子どもの作り方を。性欲の発散の仕方を。


 もちろん彼とは、そんな行為を一度もしたことはない。当然だ。彼はまだ子ども。だけど、したいという気持ちはある。とてもある。彼と一緒に居ると、ムラムラしてくる。私は、彼に興奮しているのだ。性的な意味で。


「ねぇ」

「駄目。これから、食事だよ。ちゃんと食べないと、元気でないよ」

「むぅ」


 そう言って立ち上がると、彼はキッチンへ行ってしまった。そして、戻ってくる。美味しそうな料理を手に持って。それらは全て、彼の手作りらしい。まだ若いのに、本当に立派だと思う。


「美味しそう」

「お姉さんのために作ったんだ。いっぱい食べてね」


 キラキラした表情で、そう言われる。私のために作ってくれた。その事実だけで、もう胸がキュンキュンする。可愛いなぁ。


 テーブルの上に並べられた料理を二人で食べる。どれもこれも、絶品。思わず涙が出そうになるほど、優しい味がした。こんなにも、愛情を感じるものなんて。ずっと食べていたい。


「はい、あーん」

「あ、あーん」


 彼は約束した通り、私にご飯を食べさせてくれた。それは、まるで新婚夫婦のようなやりとり。実際にやると恥ずかしいけれど、彼は真剣な表情で私の口に運んでくれる。


 こういうのもいいよね。お世話されるのも悪くない。むしろ、良いかも。幸せすぎて、顔が崩れる。女の私が、こんな顔を見せるのは恥ずかしいよ。彼にしか見せたくない。そんな考えが浮かんでくる、幸運。




「お姉さんは、いつも頑張っているね。えらい、えらい。よしよし」

「……んっ」


 夕食が終わった後、再び頭を優しく撫でられる。その手つきは、慈愛に満ち溢れていて、心の奥底まで癒やされていく。このままずっと、彼に撫でられていたいなぁ。




***



 毎日お仕事で大変なお姉さんを、僕は甘やかす。これが、望んでいた世界。とても満足だった。そして、彼女も満足している。お互いに、幸せな時間を過ごせていると思う。


 付き合いのあるお姉さんは、彼女だけじゃなく。



***



「なぁなぁ、いい加減エッチしようよ」

「駄目だよ。僕はまだ、子どもなんだから」


 それは、とても良い出会いだった。その子は本当に逸材だった。私の心を捕まえて離さない、可愛くて素敵な男の子。


 まだ若い彼は、とにかくガードが固かった。そのくせに、色々と惹きつけてくる。そのせいで、常に私はムラムラ。襲いかかりたいけれど、この関係を壊すのは絶対に駄目だった。だから、いつも我慢させられる。お預け状態。


「でもでも君も、そろそろいいんじゃない? ほら、精神的には大人だしさ」

「そういう問題じゃなくて、僕の肉体年齢の問題なんだよ」

「そうかなぁ」

「そうだよ」


 だけど、いつまでもおあずけのままだと私が耐えられない。なので、ちょっとだけお触り。


「いいじゃんかぁ。減るもんじゃないしさぁ」

「駄目なものは、だーめ」

「ケチ」

「なんとでも言え」


 そう言いながらも、私が彼の服の中に手を突っ込むのを抵抗しない。男の子の生肌は、スベスベして気持ちいい。ずっと触っていられる。


 これは、受け入れてくれている。いけるんじゃないだろうか。


「はい、おしまい」

「えー! まだ、触りたい」

「これ以上は、僕もムラムラするから駄目」

「えっ!?」


 彼の口から出た言葉に衝撃を受ける。まさか、男の子もムラムラしているなんて。それを正直に伝えてくれた。こんなに嬉しいことはない。やっぱり、私も彼も、同じ気持ち!


「じゃ、じゃあ!?」

「今は、駄目。また今度ね」

「うん!」


 私も彼も、同じように興奮していた。それが分かっただけでも、収穫だな。そして私はまた、お預けを喰らうのだった。




***



 とあるお姉さんとは、接触を多めで。だけど、性的な行為は絶対にしない。そんな関係を続けている。主導権を握って、相手をコントロールするのは楽しいなぁ。僕は彼女の望みを、少しだけ叶えて。後は、厳しく我慢させ続ける。


 そしてまた、別のお姉さんと。



***



「わぁ! 美味しそう」


 彼が喜ぶ表情を見るのが、好きだった。そのために、何十万も費やして用意させた高級料理は気に入ってもらえたようで安心する。


「どうぞ、召し上がれ」

「いただきます」


 行儀よく、手を合わせてから彼は食事を始める。その仕草はとても綺麗で、見惚れてしまう。ずっと見ていても飽きない。


「どう、美味しい?」

「はい! とても美味しいです」

「良かった」


 笑顔を浮かべながら答える彼は、本当に可愛い。食べてしまいたいと思わせるほど魅力的だ。そんな感情を必死に抑えるのが大変だけれど、それも悪くないと思える日々が楽しくて仕方がない。


 そして今日こそは、私が甘やかしてあげる番だ。そう思っていたのに、あっさりと先手を打たれた。


「お姉さんも、一緒に食べましょうよ。美味しいですよ」

「私は、いいのよ。君が、美味しく食べている様子を眺めていたいのよ」

「えー。こんなに美味しいのに、一緒に食べたいなぁ」

「うっ……」


 そんな目で見られると、断れない。


 彼が一緒に食べたいと願ったので、そのお願いを聞いてあげるのがお姉さんとして正しい振る舞いだろう。だから私は、彼のためだけに用意したはずだった高級料理を一緒に食べることに。


「うん。美味しい」

「でしょう! こっちも美味しいよ」


 子どもらしい無邪気さで、彼は笑顔で話しかけてくれる。それだけで、私は満たされていくのを感じた。そして、ドキドキしている。


 次々とオススメされる料理を食べていると、いつの間にか私のほうが多く食べて、ご馳走になっているような気がしてきた。


「ごちそうさまでした。とっても、美味しかったね!」

「え、えぇ……。そうね」


 いやいや、もっと彼を甘やかせるつもりだったのに! いつの間にか、私のほうが甘やかされている。おかしい。


「どうしたんですか?」

「なんでもないよ」

「そうですか?」

「うん。って、ちょ!?」


 そして彼は、私の膝の上に座ってきた。対面で抱きしめられる形になる。この体勢は、良くない。とても、いけないことをしている気分になってくる。


「ど、どうして?」

「こうしたかったから」


 そう言って、ギュッと強く抱き締められた。もう逃げられない。お姉さんとして、男の子を甘えさせてあげたいとは思うけれど。この状況は、あまりにも心臓に悪い。


「あ、あのね」

「なーに」

「えっと、いや、なんでもない」

「変なお姉さん」


 これって、私が甘やかしているのか。それとも、私が甘やかされているのか。こうしたいと思ったけれど、彼の方から身を委ねてもらっている。


 そして、私は勝手に満足している。


 当初の想定とは違うけれど、こういうのもアリだよねと私は納得した。


 だけど、次は絶対に私が彼をお世話して、甘やかしてあげたい。絶対に!




***



 お金持ちのお姉さんは、色々と世話を焼こうとしてくれる。


 美味しい食事を用意してくれたり、服を買ってくれたり、旅行に連れて行ってくれることもあった。


 そして僕も、今まで磨いてきた甘やかせスキルでお姉さんを逆に甘やかした。逆転展開も実現できて、僕は満足している。




 妄想してきたシチュエーションを実際に体験して、僕は感激していた。こんなにも幸せになれるんだと感動する毎日だった。お姉さんのことが大好きでたまらない僕は今日も、お姉さんたちを甘やかせる。


 今しかない少年時代を、僕は全力で謳歌する。今のうちにできる限り、ショタおねの楽しい思い出をたくさん作っておくために。

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