主人公は、手術をおえたあと、です。命にかかわるようなものではなく、手術は成功、なのだけど、自分の足を、手術で5センチほど、切られた。不安な気持ち。松葉杖で歩く不便。入院の憂鬱。そういったものが、しっかりと描かれます。不安そうな主人公の目……。その主人公の目がとらえたものは。そう、黄色い風船です。心理描写がきめ細やかなので、主人公にすっと感情移入できます。そして、読後感が爽やかです。おすすめですよ。ぜひ、ご一読を!
病床の不安と言ってしまえばそれだけですが、その単純な出来事をうまく表現するのが小説なのだと思います。本作はそういった意味で、とてもうまく表現された作品です。タイトルにあるように、風船とスカートという一見結びつきそうにない事物を絡めて、不安を描きます。入院したことがない人でも、この不安を共感できるはず!そして不安のまま物語を終わらせず、とても良い形で思考を転換させてくれるので読後感も爽やかです。これぞ文章表現!勉強になります!