私の、ゆらぎ
食事会を終え、解散してもどうしても気になって仕方なかった。
だが直接何かを聞けるわけもない。
なにせエミにとって私は見覚えのある誰かでしかない。
何より、私は女性が怖くて仕方なかった。
10年以上もの間、待てども待てども裏切られ続け、その間も先立たれ、忌避され。
疲弊しきって、枯れていた。
はずだった。
どこもかしこもくしゃくしゃのくせに笑うエミがどうしても気になってしまった。
誰を必死で思おうとしてもその実冷めきっていた自分に、熾火のような火が戻ってくるのを認めざるを得なくなった。
でも認めたくない、4度目はごめんだ。
もう嫌だ。
もう嫌だ、嫌だ。
置いていかれるのは嫌だ。
だめだ、頭を、まわすな。
水底より仰ぐ 山奥ノ紅葉 @sasakuramomiji
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