軋轢の病

グカルチ

第1話

 あるの中年の男。3人家族、大学を出たばかりの娘、中学生の息子

(最近、娘の様子がおかしい、家族会議にもでないし、食事もやけに豪華だ)

 男には心当たりがあった。1カ月ほど前娘と喧嘩したのだ。

「わしの気持ちもわからんで!!わしはもう死んでもいいのだ!!ずいぶん財産も残せる、心配をするな!!」

「お父さん!!お父さんの病気はそんなに難しいものじゃないの、一緒に克服していきましょう、お父さんがいなきゃ私は」

「もういい!!いいのだ……」

 相違って泣いたあの日、娘は私が初めて見せた泣き顔に困惑していた。あの日以来、娘は私とほとんど口も利かず、豪華な食事を出してばかりだ。


 その翌日、男は娘に食事の折、尋ねた。

「自宅療養を選んでから、ずいぶんたつ、わしは後悔はないが、もう先は短いのか……最近体が重くて、やつれているきもする、豪華な食事も結構だが……」

「そっちじゃないわ」

「え?」

「喧嘩した時のこと、よく思い出してよ」

 思い出そうとしたが、思い出せなかった。そのうち、男は娘の料理を分析するようになった。その分析は数週間に及び、レシピの傾向と栄養の傾向から、インターネットである重病の手がかりをみつけた。

 その日また男はないた。

「わしはやはり重い病だ、急性のもので調べたところ、もう先も長くないだろう、お前は最後に喧嘩をしたわしの頼みをきいてくれたのか?こんなわしの頼みを」

 娘はめをかっぴらき、テーブルから立ち上がり叫んだ。

「だから、そっちじゃないっていってるでしょ!!」

「何をいっているんだ!?何の話だ!!」

発狂する父と娘。

「お父さん、昔は記憶力がよくて、すぐに間違いをあやまってくれたのに、私がおこって、心配しているのはお父さんの精神のほうよ、それに食事が豪華なのは、調子がよくなってきたから」

 頭を抱えて、悩む男。

「証拠をみせてあげるわ、ほら、診療の記録よ」

 確かにそこには別の病名があり、症状も深刻でないことがわかった。

「ならば体の重さややつれは」

「気のせいよ!!医者がいいっていうからいいにきまっているでしょ!」

「お前は何が“そっちじゃない”っていっていたんだ」

「あなたが我儘だからでしょ!!最初、お父さんの好き嫌いの激しさしっていた私が治療前、夕食の時にたずねたの、我慢できるか?って、そしたら言ったじゃない"禁止されたら食べたくなる"って、だから私はなるべく禁止しないで、量を少しずつ減らすことにしたのよ……だから、あなたの探り当てた病気は、勘違いよ"禁止"してないのだから」

 男は、泣きながら娘を眺めて誤ったという。

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軋轢の病 グカルチ @yumieimaru

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