第6話 外に出る

なんと今日は僕、ノア・アレクシスの6歳の誕生日でございます!ということで現在我が家ではパーティーがか開催されております。


「ノア君、誕生日おめでとう!」


こちらはママ。現在30歳。まあついに30代と言っても相変わらずの可愛さ。こんな可愛い人に抱きしめられてる僕は幸せ者だね。


「ノアー!今日からお前は6歳だ!おめでとう!」


この人はパパ。現在31歳。母さんと同じく30代になっても若々しい。なんならちょっと大人の余裕が出てきてちょっとかっこよくなった気すらする。今パパに頭を撫でられてるんだけどちょっとゴツゴツしてて痛いんだよね。


「おにーちゃん、おめでとう!」


これが我が家の天使。妹のシア。現在4歳。もうまーじで可愛い。ほんっとに。この4年間は自分のトレーニング以外の時間はずっとこの子を愛でてたからね。ちなみに妹は白髪でお父さんの方からの遺伝だ。顔とかはまだ小さいから分からないけどお母さんの方に似てる気がする。まあどっちに似ても可愛く育つだろう。


「ふぅー、ふぅー。っお消えたー!」


そして丁度今ケーキの上のロウソクの日を消したのがこの僕、本日の主役、ノア・アレクシス。現在6歳。ナイスなボーイに成長中。


まあ現在の僕はこのコルク村の1つの平民の家で普通にいい子として育っている。コルク村はウィーグという国の辺境の地にある村で、野菜や果物などの作物に恵まれていて、平民でもお祝いごとのケーキとかはフルーツが豪華だ。

うん、なかなか美味しいなこのケーキ。


まあケーキのことはひとまず置いておいて、この妹が産まれてからの4年間位でぼくは色々なことが学べた。

文字の読み書きもできるようになったしね。

まずこの世界には5つの大きな大陸があるらしい。

まず中央にあるのが中央大陸

そこから北東にあるのがルミス大陸

北西にシュヴェル大陸、南東にハンゲスト大陸

そして南西にあるのがこのウィーグ大陸という訳だ。

そしてなんとこの大陸全てに1つずつ迷宮の塔(ダンジョン)というものがあるらしい。ダンジョンだぜ、ダンジョン!これを知った時はまじで興奮して椅子から転げ落ちちまったよ。

他にもステータスとか魔法のことについてもいくつか知ることが出来た。

まずステータスというのは元々知っていた通り自分の頭の中で念じることで見えるようになるもので1部スキルを使うことで相手のステータスを確認したりもできるらしい。まあでも基本的には他の人のステータスを確認する時はステータスの水晶と呼ばれるものを使うことである程度ステータスが確認できるらしい。(自分で見れるやつほど正確では無いらしい。)

次にスキルは鍛錬を積み一定のライン以上の技術を身につけた時ステータスに現れるらしい。別に鍛錬だけがスキルの取得方法というわけではないらしいが僕に取って1番身近なのは鍛錬だね。

次に魔法について。魔法はスキルの一種のようなもので、魔力を体外で扱い、相手に攻撃したり、傷を治したりできるものらしい。あと魔法には適正属性っていうのがあるらしくて教会に行けばわかるらしい。魔法の適正属性には火、水、自然、雷、氷、闇、光、風、無などがあるらしくて、なかでも光と自然は回復魔法が使えるから重宝されがちだとか。適正属性っていうのはその属性の魔法を習得するのが早かったり、扱うのが上手かったりするらしい。ちなみにママは火でパパは雷だ。

今度僕とシアも行くらしいからその時にわかるだろう。


そして最後に今の僕のステータスだが


ノア・アレクシス 年齢6歳

レベル0

HP21/21 MP58/58

筋力:12

耐久:11

俊敏:12

知力:10

魔力:16

器用:11

幸運:1

スキル:身体強化9 短剣術2 詐術1


結構成長したかな?まずステータスは全体的にこの4年間ちょっとずつ上げていって6歳としては十分すぎる数値まで上がってきていると思う。特に魔力とMPは毎日の特訓のかいあってかなり成長した。本で読んだ感じだとこの歳でこの数値は天才レベルだとか。まあ正直これだけ普通の子供より努力してきて、やっと何もしてない天才に追いつけるってところだから泣きそうだけどね。

スキルの方に関しても結構順調に成長している。まず身体強化のレベルが9になった。これは完全に日々の努力の賜物だろう。そして次に短剣術なんだけど、これは家にあった食器のナイフを振り回していたらついた。いつか外に出れるようになったらいち早くモンスターを倒してレベルをあげたいからね。そのために食器のナイフで練習してたらいつの間にか短剣術がついてたっていう。

そして最後に詐術なんだけど...

前提として詐術っていうんは人を騙す技術のことだと思うんだけど、これは妹のシアが泣いているのをあやすために変顔したりして妹をなだめてたらついちゃったんだよね。なんか悲しいよ。まあ、他にも家族に自分を平凡に見せるために走れるけど走らないとか色々してたのも原因なんだろうけど。


でもそういった具合でステータスに関しては順調にいけているね。レベルをあげるとトレーニングとかでのステータスの伸びとかも良くなるかもだからいち早くモンスターを倒したいところ。まあでも1人で外に出ることができるようになる日なんていつになるやら。パパとママは狩人だしパパとママに頼んでもいいのだけれど、さすがに6歳児に「モンスター倒したい!」なんて頼まれても連れて行ってくれないだろうからね。


これからもコツコツ頑張るぞー。


ー数日後ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ピー ピー ピュリオ ピー ピー ピュリオ


「...ん」


この世界に来てから毎日のように聞く鳥のさえずりで朝目覚める。重い体をあげて隣を見ると、妹のシアが幸せそうに寝ている。うん、天使だ。

ベットから出て洗面台に向かい顔を洗う。


今日はついに教会行く日だ。今日僕とシアは自分の適正属性がわかる。いや〜、どの属性になるだろうか。

楽しみだ。


「まあとりあえずシアを起こすか。」


シアのベットまで行きそのからだを揺さぶる。


「シア〜。起きて〜。」

「...ん〜。もうちょっと〜...」


うん可愛い。許しちゃう♡

まあ、もう少し寝ていても大丈夫だから先に両親を起こすとしよう。


両親の部屋のドアを一応ノックしてから入る。


「パパ〜、ママ〜、起きて〜!」


最近は僕が早く起きて両親が遅かった時はこうやって起こすこともある。今日みたいに予定がある時はね。

両親の話を盗み聞きして知ったんだけど、パパとママは子供は僕とシアの2人、男の子1人と女の子1人居れば十分らしい。最近は明らかに回数が減ってるし、昨日も音がしなかったからね。今日の2人の服ははだけてないので安心だ。正直朝から服がはだけている両親を見るのはちょっと嫌だしね。


「ん〜、おはようノア君。」

「う〜ん、もうちょい寝かしてくれ〜...」


よし、パパは別に可愛くないしこいつは起こそう。


「うん、おはようママ。パパも起きて〜!」


布団の上からパパをバシバシ叩く。


「あ〜わかった、わかった、起きるよ。おはよう、ノア。」

「うん、おはよう!」


ミッションコンプリート。あとは朝の準備するか〜。

妹はどうしたのかって?まだ寝たいって言ってんだ、ギリギリまで寝かしてあげればいいんだよ。


「あ、お兄ちゃんおはよー!」


リビングに行くとそこにはもう起きたらしい妹がいた。見逃したら一生起きてこないまであるパパとはえらい違いだ。


「おはよう、シア。」


そこからはいつもの朝が始まる。家族揃ってご飯をたべ、歯を磨く。この世界には歯磨き粉がないので水洗いなんだけど。

歯磨きの後は出かける準備をする。


「ノア君、シアちゃん準備はいーい?」

「「はーい。」」

「よしじゃあ行くぞー。」


ということで教会へレッツラゴーだぜ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


教会は村の中心付近にあるので家からも10分くらい歩くだけでついた。


「本日はお祈りでしょうか?」

「今日は魔法の適性属性検査にきました。」

「適性属性検査ですね。わかりました。ではこちらに来てください。」


若そうなシスターさんに案内された部屋には1つの水晶が置いてあった。


「ではまず、ステータスの魔力などに関する知識は既にありますでしょうか。」

「はい。2人とも俺たちから教えてあります。」


この前教会に行こうっていう話になった時に僕とシアはパパとママからステータスや魔法、スキルのことについて教えられた。まあ僕は元々知っていたから意味がなかったんだけどね。多分だけどシアはよくわかってない。まあ4歳だから当然だとは思うけど。


「ではこの水晶に1人ずつ触れてください。そこで水晶の色が変わるのでその色によって適正属性が分かります。」


「じゃあノア、まずはお前からだな。」

「わかったー!」


いや〜、ドキドキの瞬間がついに来ました。ここの属性によって将来主力にする属性が決まるからね。

いざ尋常に。ほいっ。


水晶に手を触れるが元々無色の水晶は何色にも変化しなかった。


「へ?」

「これは無属性ですね。無属性は他の適正属性と違いどの属性の魔法も同じくらい使うことが出来ます。」


僕の適正属性は無属性だったようだ。シスターさんの言う通り無属性はどの属性の魔法も満遍なく使えて、イメージとしては

適正属性>>>無属性>適正外属性

という順番で魔法が習得しやすかったり魔法の精度が高かったりする。

無属性は使える魔法の数は多いけど威力の高い大魔法とかは覚えずらいからいわゆる器用貧乏と言われてるらしい。

でも、他の適正属性との優劣は特になく攻撃魔法主体の魔法使いは難しいが前衛や斥候などでは結構いいらしい。


「おお〜、じゃあノアはかなり色々なタイプの魔法を使っていくことになるのか〜。」

「そうね、無属性。器用なノアには似合ってるわ。」


「じゃあ次はシアだな。シアあの水晶に触れて見るんだ。」

「うん!」


シアが水晶に触れると水晶は黄色に光だした。


「光った〜!」

「これは光属性ですね。光魔法を習得しやすかったり上手く使えたりしますよ。」


シアは光属性だった。だいたいどの属性も優劣はないのだが、光属性と自然属性は回復魔法があるのでパーティーに1人は欲しいと冒険者のなかだと結構重宝されると本で読んだことがある。

天使のような可愛さのシアにはよく似合ってる。


「光属性か!いいじゃないか!」

「そうね。これまたシアに似合ってるわ〜。」

「ひかり〜♪」


光属性のことについてちゃんとわかってるかは知らないが上機嫌そうに僕の元に走ってくる。


「良かったねシア。可愛いシアにはよく似合ってるよ。」

「うん!」


この屈託のない笑み。まさしく光属性ですわ。可愛すぎて目が焼けそうだよお兄ちゃん。


「じゃああとはお祈りして帰るか!」


ということで最後に教会でお祈りだけして家に帰り、今日という1日が終わった。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

「さあ、世界を知る旅に出よう。」 @tomato4040

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ