第5話 新しい家族

これは僕の誕生日から1ヶ月ほどたったらある日のこと。


「ノア君、報告があるの。私たちに新しい家族が増えるわ。」


え、......


はっや...


「いやぁ、これで俺たちが仕事で家を出てる時もノアに寂しい思いをさせずに済ってもんだ。」

「そうね。ノアにもいい刺激になってくれるといいわね。」


いやすげー....

愛の力って偉大だわ。まじで

確かにパパとママの部屋の方からは毎日教育に悪い声が聞こえてきてはいたけども。

前世では1人息子だったのに、今世ではまさか1年とちょっとで兄弟ができるとは。いや兄妹か?

というかこのペースで行くと一体何人の家族になるのやら。さすがにどっかでストップがかかると願いたい。

いやぁ兄弟かぁ...正直実感がわかないな。まあ実際まだ産まれてないし。産まれたら僕は兄弟にどんな風に接するんだろうか。

まあ産まれてからじゃないとわからないか。


「家族...?楽しみ!!」


とりあえず普通に喜んでおこう。実際喜ばしいことだしな。


「そう、良かったわ〜。ノア君はいい子だから産まれる子にも見習って欲しいわね〜。」

「そうだな!ノアと同じくいい子に育つといいな!」


なんか親バカが発動してすごい褒めてくれるわ。というか中身成人男性なのにいい子って褒められるのはなんか変な気分だな。

まあパパとママが嬉しそうだしよしとしよう。


でもほんとにどんな子が産まれるかは楽しみだ。


ーー10ヶ月後ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


なんと今日、我が家に1つの命が産まれるらしいです。

ということで今村の小さな病院にいるのだが残念ながら子供である僕には産まれる瞬間は見せてくれないらしい。

なんかソワソワするし暇だからとりあえずステータス確認でもしておこうか。


(ステータス、オープン)


ノア・アレクシス 年齢1歳

レベル0

HP10/10 MP4/19

筋力:6

耐久:5

俊敏:4

知力:4

魔力:6

器用:4

幸運:1

スキル:身体強化3


うーんやっぱり伸びがあんま良くないよね。レベル0で1歳の状態だとそこまでの成長ができないのかも。

パパとママの話を盗み聞きした感じだとレベルっていうのは魔物を倒したりすると上がるらしいから外に出れるようになったらどうにか倒したいところだ。


あ〜。やばい。めっちゃソワソワする。

やっぱり初めての兄弟ってすごいドキドキするよね。ちなみにこの世界だと医療技術は魔法に頼り切りみたいであんまり発展してないからまだ性別すら分からないんだよね。

ちなみに男の子だったらパパが、女の子だったらママが名前決めるらしい。だから僕の名前はパパが決めたんだって。


ガチャ

「ノア君入ってきていいよ〜。」


お。ついに看護師さんから招集のお言葉が。

遂に僕も新しい家族の顔を拝めるのか。いや〜、男の子かな?女の子かな?


看護師さんに連れられるまま僕は病室へと入っていく。

そこには、いつか見たような安心した表情のママと歓喜しているパパの姿が見えた。


「あら、ノア君。この子があなたの新しい兄妹よ。」

「そうだぞ〜。これからこの子はお前の妹でお前は今日からお兄ちゃんだ!! いや〜、可愛いなぁ〜♡」


産まれたら子供は妹だったらしい。いやなんか自分の兄妹ってだけでめっちゃ可愛く見えてくるんだけど!

前世では正直赤ちゃんなんて全く可愛く見えなかったし、なんならまだ人間ですらないと思ってたくらいなのに。

一生、いや二生のうちでも初めての兄妹だからな。浮かれるのも当然なことだろう。いや〜まじで可愛い。よーし、これはいいお兄ちゃんになるぞ〜。


ーー帰宅ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


家に帰ってきたら家族で新たな家族の誕生を祝ってプチパーティーをすることになりました。

まあちょっとしたお祝いと名前を考えるらしい。ちなみに主役である我が妹は現在ぐっすり就寝中だ。わかるぜその気持ち。まじで赤ん坊の時は眠たいからな。

ということで今はパパに面倒みられながらご飯を食べる僕と、机の逆側で名前を決めているママという構図になっております。


「ん〜。アリア、ローラ、ミーシャ、・・・・・・・。

どういうのにしようかしら。ふふっ。」


なんかさっきからママがめっちゃ笑顔でブツブツと言葉を発してるから、何も知らなかったら正直めっちゃホラーなんだよね。まあママは自分が名前を決められるってなった時それはもう喜んでたからね。頼むからいい名前にしてくれよ〜。


「シア!シアとかどうかしら!」

「シアか、シア...。うん、いい名前じゃないか!」

「そうよね!ノア君ともちょっと似た感じにしてみたのだけれど。ノア君はどう思う?」


どうやら妹の名前はシアに決まりそうだ。

シア... シア・アレクシス。うん、いい名前だ!


「シア、好き!」

「ぉお〜!、気に入ってくれて嬉しいわ。」

「そうだな〜。ならシアで決まりだな!」

「そうね。この子が起きたら教えてあげましょう。」


眠っている妹の頭を撫でながらママは言う。


「シア、今からあなたの名前はシアよ。シア・アレクシス。今日からよろしくね。」


いや〜本当にめでたい日だ。今日は4月30日だから丁度僕と1ヶ月くらいしか誕生日が離れてないんだよね。この時期はパーティーが多そうだ。

シア、これからよろしくね。


それからはみんな疲れてたからすぐ寝ることになった。いつもは寝室は子供と両親で違うのだけれど今日はみんな一緒に寝ることになった。いやこれ夜妹の泣き声とかでよく寝れなそうなんだけど大丈夫かな。

まあそこは新しい生活の始まりということでそれも楽しむとしよう。


最後に寝る前に今後の目標だけ考えてから寝ようかな。

まず妹ができたということでいいお兄ちゃんになること。

自分のステータスをあげることと身体強化のレベルもあげたい。モンスターを倒したりしてレベルをあげるのはまだ1歳(あと1ヶ月で2歳)の僕には早いから地道にあげるしかないよね。

あと最近パパとママがいない時に文字の練習をして、ちょっとずつだけど読めるようにはなってきてるからそれも続けていって、ちゃんと本を読めるようになりたいな。

ここら辺が当分の目標と言ったところか。


じゃあパパ、ママ、シア、おやすみなさい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

作者からのコメント

え〜、どうも作者です。今回で5話目となるのですが未だに1歳と正直年齢が年齢なのであまりできることがなくて展開もかなりスローペースになってしまっています。なので次の話では6歳の誕生日くらいからのスタートになるかな?

僕はこの作品が初めての作品なのでファンタジーを書くことが思ってた以上の難しさでちょっとびっくりしてますね。それでも今は幸いなことに僕超がつくほどの暇人なので1日に何話も更新することが可能かなと思います。

まあ少しでも面白いと思ったら見ていただけたら嬉しいです。














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