12.救われたい

 目が覚めるともうお昼近く、十一時過ぎていた。

 テーブルには、ラップのかかったおにぎりが二つ置いてあって、『ちょっと急用で親父と出かけてくる』と走り書きのメモが添えられていた。

 祐はちゃんと寝たのかな。

 答えは艶々のおにぎりを見れば明らかで、気分が重くて食べる気にも顔を洗う気にもならない。廊下の方に顔を向ければ、障子から透ける光の熱が私の顔に貼りついた、今日もきっと暑い。


 夜が明けそうになるまで私たちは外で、ただ一緒にいた。抱きしめられたまま、というよりしがみつかれたまま私はじっとしていた。それしかできなかった。

 祐も話の続きはしなかった。私の手を引いて立ち上がると「ごめん」と言っただけ。そのとき祐の顔は見えなかったから。

 これまでも、見えなかった。

 そう、ついこの前まで会いもしなかったし祐がウチに来るようになっても知らなかった。祐が言わなかったから。

 でも、夜も朝も、昼も――祐はずっと苦しんでた。『頼む』と繰り返す声が耳の奥から聞こえてきて思わず膝を抱えた。


「もう帰ろうかな……」

 口に出してみると名案に思えた。明日には母さんも帰ってくるし、夜は何かあれば祐に頼めばいい。いや大丈夫きっともう何もない。

 膝に埋めていた顔を上げてスマホでLINEを見た。父さんから三通、母さんからも四通来ていた。何となく父さんのを既読にするのは気まずくて面倒で、まずは母さんのだけ確認する。

「えっ」

『キャンセル出たって。今から空港行くわ』『運よく今日の便に乗れた!』『着くのはそっちの夜』

 もう向かってるってこと?

 すぐに父さんのLINEも確認すると、母さんが着の身着のまま飛行機に乗ったと書いてある。

 急展開すぎる。好都合な気もするし、気持ちの整理が微妙につかない。

「母さんが帰ってくるならウチに居なきゃだよね」

 発して湧いたのは安堵。でもすぐに自己嫌悪が津波みたいに覆いかぶさって全部ぐちゃぐちゃにしていった。


 祐がおばあちゃんのことを話し出してから――祐が苦しんでるって分かっても、結局思うことは一つだけだ。

 私は、なんにもできない。

 料理も介護も。

 コミュ力もない、生活力も優しさも勇気もなにも、持ってない。

 平気なフリの嘘も、苦しむ祐をなぐさめる言葉もなにも。

 何の為に祐の家に泊まりにきたのかも、もう遠くなっていた。

「ハハ……何が『筋を通す』だよ」

 バカだ。

 帰ろう、何もできない弱虫はここに居るべきじゃない。今日はもうおにぎり二つ分、祐に迷惑をかけてる。ううん居るだけで冷房代もかさんでいくはず。


 自分が脚をヒステリックに撫でていることに気づいて、殊更に笑えてくる。

 どんどん自覚していく。

「ハハ、……アハハ」

 私は、祐が好きだったんじゃなかった。

「アハハ、ハ」

 たぶん私を救ってくれそうな祐が好きだった。

「……ふ、ふぅ……うぅ」

 辛いときに側にいて美味しいご飯を作って軽口でなぐさめてくれる、苦しんでない祐に依存したかっただけ。

「う、あぁぁぁぁ……」

 祐に甘えてただけだった。おばあちゃんに謝ることもできないまま。

 私なんにもしてない、できない。

 敷きっぱなしの布団にうずくまった。流れる側からシーツが涙を吸いこんでいく。二日借りたはずの布団からはやっぱり他人の匂いがして、息も深く吸いこめない。

 私はまた、いつの間にか寝てしまった。


 ◇


 何かの通知音で気がついた。

 ハッとして起きあがると、柱時計は二時。頭がズキンと痛んで、寝る前は泣いてしまったことを思い出す。自嘲が漏れた。

「まだ帰ってないのかな」

 ふらりと客間を出ても、人の気配はない。

「……いないや」

 さすがに今まで寝てたのがバレたら気まずい、と思えば少しホッとする。でも買い物にしては随分時間がかかってると不安になる。

「喉渇いた」

 でも客間のテーブルにはコップがなかった。きっと慌ただしく出かけて飲み物までは気が回らなかったんだな、と思う。

 全部、祐がしてくれてたから私はここに籠もっていられた。

「うざ」

 熱を持った嫌悪がまたこぼれそうになって、ぐっと息を止めた。振り切るように立ち上がる。自分の飲む水さえ取りに行けないなんて、さすがにヤバい。

 別におばあちゃんに会いに行くわけじゃない、ただ水を取りに行くだけだからと脚に触れた。


 洗面所を素通りし、中戸に手をかけた。そっと押せばキィと開いて、勝手に全開になる。立ち竦む私の顔にむわっと熱気がくっついて首を振った。廊下を一段上がる茶の間は障子戸が開いていて、テーブルには辰おじさんが吸い殻を残した灰皿がぽつんと置いてあった。褪せた畳、昔と何も変わってない大きな茶箪笥。テレビだけが大きく薄い今時な直線をしていて、違和感。

 台所は茶の間の奥だ。そろりと歩き何度もたたらを踏みながら進めば、そこに着く頃には汗だくになっていた。

 入りこんだ台所の洗い桶に見慣れたコップがあって、水道から水を注いで飲んだ。ゴクゴクと喉を鳴らして飲み干して、二杯目でようやく落ち着いた。ハァと吐いた声がシンクに響いてドキッとする。

「麦茶とか、ないかな」

 台所の窓は開いていて網戸のままで、ぬるま湯のような風をとろとろと通している。無意味な台詞はモヤモヤとしてどこにもいかず空気中を漂った。

 誰も見ていないと分かっていても周囲をうかがい、ごめんなさいと呟いてから冷蔵庫を開けた。

 物がすっきりと収納されている。重なったタッパ、使いかけの粉物をまとめたカゴ。一番上にはビール、使いかけの卵、牛乳、調味料のチューブたち。

 送られてくる食材で溢れてるウチの冷蔵庫よりも丁寧に生活してる雰囲気がそこにはあって、私は静かにドアを閉めた。



 薬缶がシュンシュンと鳴いたとき、暑い台所でお湯が沸くのをただ待っていた私は汗びっしょりになっていた。火を焚いてる分さらに暑い。

 スマホを持ってくれば良かった、ともう五十回は後悔してたけど、何度も人の家の台所に侵入するのはいけないことだと思って我慢していた。

 私は祐みたいにズカズカ入りこめないや。

 ちがうか、私の要領が悪いのか。

 勝手知らない他人の家では、麦茶のティーバッグ一つ見つからない。

 汗が垂れてきて、パジャマ代わりのTシャツで拭う。

「あつ……」

 コンロの火を止めた。

 棚の隅に古い魔法瓶ポットがあったから、軽く濯いでお湯を入れた。コポコポと懐かしい音が立って少しだけ頬が緩む。これで祐が帰ってきたらすぐ作ればいいと思って。客間に持ちこんでも文句は言われない気がして。

 さっき使ったコップは洗って、棚にしまってある湯飲みを一つ拝借した。

 早く客間に行こう、暑すぎる。ってかシャワー浴びたい。

 ポットと湯飲みを抱えて元来た道を戻りかけた。チラリと見えた茶の間の時計は二時二十分。二人とももう半日近く帰ってこないな、と思った瞬間。足が止まった。


 おばあちゃんは――?

 昨日の祐の姿が浮かぶ。何度も立ち上がって様子を見に行ってた、姿勢を変えたり水を飲ませたり。

「連れてったよね……?」

『二時間にいっぺんは姿勢を変えねぇとダメなんだ』

 でももし。

 心臓がけたたましく騒いだ。潤したはずの喉が干上がっていく。私でさえ喉が渇いたのに。

 もし家にいたら……?

『寝てるだけなのに熱中症になったことあってさ。時々、水飲ませねぇと』

 茶の間と反対方向、台所のさらに奥を振り返る。脚が震えた。その細い廊下の先におばあちゃんの部屋がある。そこは離れのような家の隅にあって、私と祐が遊ぶときは決して立ち入ってはいけない部屋だった。

 ず、と素足が床に擦れて引き攣った。

 でも一歩前に出たとき、

『ふしだらな』

 あのときの声がした気がして、床に座りこみそうになった。映像が断片的に頭を占領して、何度も首を振る。重いポットを強く抱えて、落とさないようにするので精一杯だ。

 やっぱりこわい。

 立ち止まってしまった。

「どうしよう」

 今すぐ客間に戻ってスマホを触りたいと思った。無意味な画像と言葉の世界に逃げこみたいと思った。なんで持ってきてないんだろう、さっき持ってくればよかったのに。

 前にも後ろにも進めなくて目を逸らす場所もなくて私は立ち往生した。左は和室の壁で、右も木目の壁。道は真っ直ぐ一本道なのにまるで揺らぐようにぼやけて見える。


 暑くて汗がひっきりなしに耳の脇から落ちていく。ぐらぐらと頭が沸いてきて朦朧とし始める。

「……ごめ」

 祐、私やっぱり無理だ。

 へたりこんだ、ゴトとポットの角が床とぶつかった。

『寝たきりだ』『意味のある言葉も言えない』頭では分かってるのに。もし居たら水を飲ませなきゃ、体の姿勢を変えてあげなきゃ。そう思うのに、私の全身が覚えてるのは中一のときのおばあちゃんでしかなくて、ネットの写真やイラストで見た弱って優しそうな老人じゃなかった。

 立ったまま私を見下す恐ろしい存在のままだ。

 いつの間にか握りこんだ湯飲みに縋りつくみたいにして体を縮めた。

 あぁ私、きっと一生このままなんだ。


「紗世!」

 ガッと肩を強く掴まれた。

「大丈夫か!」

 ぐいと顔を仰向かせられた。

「……たす」

 いつ帰って来たんだろう。全然音が聞こえなかった。

 咄嗟に力が入らずだらりと祐に凭れてしまう。

「運ぶぞ」

 眉間の皺を深くなった。その途端、脇と膝の下に腕が差しこまれて持ち上げられた。

「ぇちょなん」

 重い、自分がすごく重い。支えられてる二箇所にすごい重力がかかって、バランスがとれない。

「動くな。お前、重いから黙ってろ」

 怒ったように言われて、ドスドスと足音高く運ばれるのに従った。

 そしてたった十歩ほどで敷きっぱなしの布団の端に下ろされた。エアコンの風が額を凪いで汗が一瞬で引く。

「……ちょっと待ってろ」

「祐、あの」

「少し涼んでろ。今みず」

「お、おばあちゃんは!?」

 ばあちゃん? 祐が片膝のまま眉を顰めた。

「奥の部屋にいんだろ。ってかお前飯食って」

「早く行ってよ!」

 叫んだ。やっぱり居たのに、私は。

「すぐ、行ってよ……」

 祐がますます渋い顔をして私に手を伸ばした。

「お前、ばあちゃんのこと心配してあそこまで行ったのか」

 ちがう。きっと違う。

「私より先に水、あげ……て、よ」

 だって、私はなにもできなかったから。

 祐の手が頬を拭って、ぬるい涙を伸ばした。

「分かった、ありがとな」

 祐はすぐ立ち上がって障子戸から出て行った。いなくなった隙間をぼんやり眺めて、私は体から緊張が抜けていくのを感じた。

「ぅおーい祐! 荷物運べぇー!……ちっ俺に全部押しつけやがって」

 辰おじさんが玄関で大きな悪態を吐くのもただ聞いていた。

 腰が抜けていたから。



 ハァー疲れた、と祐は私の隣に腰を下ろした。

「遅くなって悪かった。……ばあちゃんも大丈夫そうだった」

 胡座に肘を乗せてこっちを見る。

「うん……よかった」

 まだ体に力が入らない私は、もそもそとおにぎりを食べていた。

「もうそれ、乾いてんだろ」

「ううん」

 食べながらしゃべるのはいけない。それにすごく美味しかった。中には鮭フレークが入ってて、塩が効いて。

 首を振って咀嚼すると、祐も諦めたのか話を止めた。

 でもすごく見てる……。食べづらいってか、やっぱり近い。

 さっき汗だくになって着ていたTシャツも自分の肌も、何もかも汗臭くて気まずい。でも祐は毎度、膝が触れるくらいの距離から私を見ていた。ちらりと視線をやると目が合ってしまい、慌てておにぎりに集中した。


「紗世、こっち向け」

 ようやく二つ詰めこんで麦茶をあおったとき、祐が言った。

「……なんか、近くない?」

「気にすんな」

 気にするよ! とは言えない雰囲気で、私は半ばヤケクソで祐に向き直った。少しだけお尻を下げて距離をとる。

「なぁ」

「う、うん」

「はっきり言ってほしいんだけどさ」

 な、何? 告白の定型文みたいな台詞。頬に羞恥が差した。

「……俺、臭くねぇ?」

 私は少し俯けていた顔を上げて、祐を真っ直ぐ見た。二度目だ、と思った。

「全然」

 言い切ると切れ長の目が歪んで伏した。

「シャンプーと、」

 下がった分だけ前に出たから、祐の膝と私の膝がくっついた。

「ちょっと汗の匂いだけだよ」

 そっか。祐は小さく言って、「悪ぃ」と片手で顔を覆った。でも顔を上げない。

「……もし臭かったら、言うよ」

 これは祐のトラウマだ、と気づいていた。前に聞かれたときも、祐はこんな風に泣きそうな顔をしていたから。

「祐は臭くなんかないよ」

「うん」

 返事はあっても私を見ない。

 顔を覆ったままの祐はきっと、さっきの私と一緒だ。

 恐る恐る手を伸ばす。

 頭では分かってるのに、どうしてもそこから動けなくて小さくなるしかなかった私と。

「祐」

 黒と茶色の境目を撫でた。

 さっき動けなくなった私をすくい上げてくれたお返しに、私も祐を安全な場所に運んであげたいと思った。思えた。

「触んなよ……」

「やだ」

 笑ってしまった。いつもの意趣返しになってて可笑しい。

「なに笑ってんだよ」

 覆いがとれて、ジト目がこっちを見た。口も尖っていて小学生のときの祐そのものだった。

「別に?」

「何か癪」

 聞き返す間もなく、私の手は捕まえられた。

「よいしょっと」

「え、」

 祐の胡座の上に横抱きにされた。

 両腕が私の体をぎゅうとして祐にますます密着する。すぐ横に顔!

「なぁ、これでも大丈夫か?」

「だい、じょぶ」

 いや、空気マトモに吸えない!

 変な汗が出てきて、暑くて堪らない。

「祐、ちょっと……離れてよ」

「やだ」

「私、汗臭いでしょ!」

「全然」

 うがあぁぁッと叫びそうになったけど、実際はだっこされたままでいた。

 祐の声がやけに静かで、まだ話があるんだと思った。正しくドキドキする心臓をせめて両手で守る。

「……クラスの奴にからかわれてから怖い。情けねぇけど、それから気になってダメなんだ」

 ごつん、と頭がぶつかった。

「男も女も俺のこと半笑いで見やがって」

「うん」

「最近はまだマシだけど。でもそんときは、ばあちゃん触ったら必ずシャワー浴びてシャンプーしねぇと気が済まなかった。実際汚かったし」

 私が身じろぎすると、祐が腕を緩めた。

「やっぱ、誰だって汚ぇって思うよな」

「……そりゃ自分のだって触りたくない、でしょ」

 だよな、と離れていく祐の手。

「でも、祐の手はきれいだよ」

 言ってから少しだけ緊張した。祐の宙に浮いたままの手を捕まえて、目の前に引き寄せた。スンと匂いを嗅ぐ。

「ちゃんと洗ってて、汚くなんかない」

 ハンドソープの匂いがしてホッとしたのはバレたかもしれない。でも本当に臭くないし、きれいだった。

 祐の顔は相変わらず私の頭の横にあったから、どんな表情かは分からなかった。でも片方の腕はまた私を囲んでくっついた。小さく「うん」と聞こえた。



 陽が弱まって部屋が少しだけ暗くなっても、私たちは一緒にいた。

 祐は私から離れようとせず、途中「ちょっとヤバい」と言って私を膝から下ろしはしたけど、体の一部が必ずくっついてる状態。大型動物に好かれたような圧迫感で、枕元のスマホも取りにいけない。ぼそぼそと高校でのことをしゃべって、話題が尽きたら沈黙する。

 しかも布団が敷きっぱなしで、それを意識するのも憚られる状況。

「スマホって、やっぱ楽しい?」

「うーん……まぁないと困る、かな」

「もし買ったら使い方教えろよ」

「まぁいいよ」

 今は後ろから体重をかけられている。でも、なぜか受けいれられる自分がいて不思議に思っていた。そして伸びっぱなしの祐の頭を撫でて三度目、理解した。

 私たぶん、犬派だ――。


 そんな風に自己解釈が深まった頃、辰おじさんが茶の間の方から祐を呼んだ。

「あー……飯作るの面倒くせぇ」

 肩にぐりぐりしないでほしいと思いつつ、鬱々とした感情を思い出す。

「私、ごめん。祐に作ってもらってばっかり」

 やるせない気持ちで、目の前に置きっぱなしだったおにぎりの皿を見つめる。

「せめて皿洗いする」

「いや、いい。お前はお客さんだから。親父もさせねぇと思う」

 ってか、と祐がまたぐりぐりした。

「あっち行けるか? 今日は親父もいるから、刺身とか買ってきたんだ。一緒に食えそうか?」

「茶の間なら……大丈夫だと思う。ありがと」

 さっき行けたし台所までなら、と記憶を反芻する。うん、とひとり肯いた。


 祐が少し離れて背中がじわりと涼しくなった。と思ったら、横に移動して私をのぞき込んだ。私の手をひょいと握って。

「紗世、ばあちゃんに会うか?」

 知らず息を飲んだ。

「お前がひとりで無理なら、俺が連れてけばいいんじゃねぇかと思った」

 祐が? 私は浅く息を吐き出した。

「お前がいいって言うなら、おんぶでもだっこでも……何したって連れてってやる」

 どうする?

 あやすように、指が絡まった。

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