第11話 坩堝
宇宙には孤立した文明がぽつぽつと存在していました。文明間の距離はとても遠くて、互いの文明は一切交流することなく独自の文明を発展させていました。宇宙に生命が誕生したのは偶然にアミノ酸に対して化学的電気的反応が起きたのかも知れないし、宇宙に存在する意思が生命を生み出したのかは分かりません。太陽系の地球の科学者たちは生命の元は宇宙からやってきたものと考えていました。宇宙の各地に発生した生命体はとても多様で個性的でした。それぞれの生命体は進化して、文明を作りだした生命体もあり、文明といえるものを作りだせない生命体もありました。無限といえるほど広大な宇宙において、生命が誕生できる環境は限りなく少なく、ほとんど奇跡に近いものでした。 原始的なアメーバのような生命体は生まれても、知的生命体までに進化することのできた天体は数少なく、宇宙の悠久の時間の中で、文明といえるものを形成できたとしても、滅びていった文明も少なからず存在しました。それぞれの文明は矛盾を抱え苦悩を抱えていました。それぞれの文明はそれぞれの価値や善を持っていました。 宇宙は多様性の坩堝でした。
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