第3話 子猫のモフちゃんと瑠花
◆子猫のモフちゃん視点
「ごくごくっ......ミルク美味しい!」
「――――――♪」
「ごくごく♪ ぷはぁ!」
助かった......このお姉さんに僕は命を救われちゃったな。少し目付きは怖いですが、このお姉さんから溢れんばかりの優しさを感じます。
「はにゃ〜気持ち良い♪」
「モ......フ......ちゃん」
ん? モフちゃん? え、それって僕の事?
「げぷっ......あ、そこ撫で撫で気持ち良い♡」
「――――――♡」
ふにゅ......このお姉さんの撫で撫でが気持ち良くて思わず目を細めてしまいました。まさに魔性の手だ。細くて華奢な綺麗な指......このお姉さん絶対色々な人からモテそう。
「ふぇ? お姉さん何処へ連れて行くのです?」
「――――――――――――♪」
ふむ、それにしてもこのお家大きいな。もしかしてタワーマンションと言うやつでしょうか? 広いリビングだなぁ〜うわ、廊下長すぎ! 一体何部屋あるのだ?
瑠花に抱かれながら、子猫は目をキラキラと輝かせながら周りを見渡していた。その様子を見ていた瑠花は、うっとりとした表情で子猫を見つめている。
「え、お風呂? ま、まさか!?」
「――――――♪」
「ひゃあっ......!? お姉さん駄目ですよ! 僕はこう見えて内心男の子なのです!」
「――――――?」
お風呂場へ来たと思えば、いきなりお姉さんも服を脱ぎ出したのです! 服の上からでも盛り上がるお胸のインパクトも強かったですが、お姉さんが裸になるとお胸の全容が顕になりました。
(で、デカ過ぎないか!? お姉さん一体何カップあるの!?)
たわわに実った大きなお胸......綺麗なお肌にスタイルも凄い良い。まさに究極の美......モデルさんか?
「―――――――――♪」
「だ、駄目だ。お姉さんをそんないやらしい目で見るのはやっぱり駄目!」
「――――――!?」
僕はお姉さんの腕から抜け出して壁の隅っこの方へと逃げたのですが、結局お姉さんに捕まってしまいました。そして、何とお姉さんが胸の谷間に僕の身体をすっぽりと入れてしまったのです!
「――――――♪」
「わぷっ......!?」
「――――――♡」
何と言う柔らかくて弾力のある胸なのだ......それに良い匂いがする。暖かい......まるで実家のような安心感。
「にゃあ......」
「――――――!?」
「お姉さん?」
何だかこのお姉さん表情豊かで面白いですね。先程外ではクールな表情をしていたのに今では、恋する乙女の様な表情を浮かべています。
「モ......フ......ちゃ」
やっぱりモフちゃんと言っているのかな? そのうち言語もまともに習得出来るようになりたい。お姉さんと会話出来るようになったら、ちゃんとありがとうとお礼を言うのだ。
「――――――♪」
「お風呂に入るの久しぶりだなぁ」
人間時代の頃はほとんどベッドの上ばかりでしたので、身体を拭いて貰う事ばかりでした。湯船に浸かる事が出来るとは......何と言う贅沢な事か。
「この小さな桶が僕のお風呂ですか?」
「――――――♪」
「ふみゃっ!? 目がっ! 目がぁ......!?」
「――――――!?」
いきなり勢い良く冷たいシャワーが出て来てびっくりしちゃったよ......でも、お姉さんの慌てた様子を見てると何だか微笑ましい気分です。
「お姉さん、もう少し暖かいお湯でお願いします」
「――――――?」
「え、あ......ちがっ......あはははは♪」
お姉さんくすぐったいですよ! あ、尻尾はダメぇ♡
「お姉さん、もう少し優しく......」
「――――――♡」
「ちょっとお姉さん!?」
あかん、このお姉さん我を失いかけてる。乙女としてあるまじき表情を浮かべています! 目をキラキラと輝かせながら僕の身体を洗いながらこちょこちょして来るのですよ!
「んみゃあああ!?」
「――――――♡」
◆瑠花視点
む、無理......モフちゃんが可愛い過ぎる!
「モフちゃん、良い子だから大人しくしましょうね〜ゴシゴシさせてね」
「にゃ〜ん」
本当に子猫は小さいね。触ったら死んでしまわないかなと不安になるくらいに華奢な身体です。なるべくモフちゃんにストレスや不安や恐怖を与えずに身体を洗ってあげたい。
「モフちゃん〜あんよから洗いますからね〜♪」
優しく接しながら慎重に洗って行こう。それとネットで調べた所、子猫ちゃんを洗う時はなるべく桶の中のお湯は変えない方が良いと書いてあったわね。猫ちゃんは環境の変化に弱い......それでストレスを感じて体調を崩す可能性もあるそうです。
「ううっ......どれが正しい情報なのか全く分からないわ。これで大丈夫かしら?」
「にゃお!」
「あ! ごめんモフちゃん! 何処か気に触っちゃったかな?」
難しい......子猫ちゃんのお世話は難易度が高いわね。と言うか私自身、ペットを飼った経験が無いと言うのが一番の要因かもしれない。
「もっとモフちゃんの事について学ばないとね」
「にゃ〜ん」
「あ〜よちよち♡ そんな怯えなくても大丈夫でちゅよ〜♡ あ、私の名前を名乗って無かったわね。私は姫野瑠花って言うの♪」
「にゃう?」
あはは......まあ、子猫ちゃんに人間の言葉が通じる訳ないよね。
「うわ、凄い汚れだ。この猫用シャンプー効果凄いね」
「にゃ〜」
「モフちゃん、もう少しだけ頑張ってくれるかな? なるべく痛くない様にそっと洗うからね♪」
胸がドキドキする。あれ、何だろうこの気持ちは......この感情や気持ち。私にとって未知の領域だわ。とても穏やかで物凄く愛おしい......モフちゃんを見てるとついお世話をしたくなっちゃう。
「にゃ!?」
「うふふ......♡ モフちゃん♡」
小さな肉球♡ はぅ♡ 子猫ちゃんは全てが小さいです♡ 私の手の平に乗っかるサイズですからね♪
「モフちゃん、少しお顔洗うね♪」
「にゃあ!?」
「あ、ごめんごめん! おめめにお湯入っちゃったかな?」
モフちゃんがお湯に慣れるまで少し待ってあげよう。子猫のお風呂の入れ方をスマホで少し調べて見よ。
「あら、前足を持ち上げてお腹に優しくお湯を掛けてあげるのか......うぐっ、いきなりモフちゃんにシャワー掛けちゃったよ......」
でも、モフちゃん気持ち良さそうに尻尾ふりふりしてるね。やっぱりモフちゃんはお湯が平気ぽい?
「にゃう」
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!?」
「にゃにゃあ......!?」
モフちゃんがいきなり小さなおててを私の手に乗せたのですよ! 可愛い過ぎて心臓が張り裂けちゃうよぉ! 常に冷静沈着な私が、モフちゃんの可愛いさによって思わず声を上げてしまった。モフちゃん......何と言う恐ろしい子なの!?
「............」
「にゃう?」
子猫ちゃんって、こしょぐり攻撃をしたら笑うのかな?
「モ〜フちゃん♡」
「にゃふ......」
「あらあら、そんな逃げようとしなくても良いのに〜うふふ♡」
モフちゃん、意地悪なお姉さんでごめんね。もう、我慢出来ない!
「あ、手が滑っちゃった〜♪」
「にゃああ!?」
「ほれほれ〜ここが気持ち良いのでちゅかぁ? それともあんよの方かな? それとも〜尻尾でちゅか♡」
駄目だ......もう止まらない! 私は思う存分にモフちゃんの身体をこちょこちょしてしまいました♡
にゃんだふる〜子猫♀に転生した僕は、クールで美人なお姉さんに拾われる 二宮まーや @NINOMIYA_M
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