優しい神様

ユダカソ

優しい神様

優しい神様は優しいので人間を幸福にしたいと考えておりました。


「どうしたら人間を幸福にできるだろう?」


神様は人間を幸福にするために、まずは人間について勉強することにいたしました。


人間は元々単細胞生物から多細胞生物となり、分裂に分裂を重ねて出来た生き物です。


次に人間の歴史を紐解くと、どの地域の歴史でも全ての領土を統一しようと奮闘しています。


言論統制を強いては革命が起き、また言論統制を強いては革命が起きの繰り返しでした。


「そうか」


神様はひらめきました。


「人間は元より単細胞生物であった記憶から一つになりたいという欲求があるんだ。だから人類普遍の夢は統一だ。全て一つになることが人類の幸福であり願望なんだ。」


これに気づいた神様は早速人間を一掴みしてお団子状にまるめました。


「一つになあれ、一つになあれ。」


神様はまた人間を一掴みしてはまるめこみ、一掴みしてはまるめこみを繰り返しました。


やがて全ての人間がまるめこまれ、一つの肉塊となると、神様はにっこり笑いました。


「これで人間は幸福になった。」


肉塊から流れる血や表面の凹凸が心なしか笑顔に見えました。

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優しい神様 ユダカソ @morudero

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