第19話 『Never Ending Summer Vacation』


(嬉しい……! 願いが叶った、叶えてもらった! 神様、ありがとうございます!)


(潮風、キラキラの光を跳ね返す青い海、水平線、全然変わってない。私達の、想い出の場所。苦しさなんてふっとんじゃう!)




「やっと、来れた。私達が恋人同士になったこの海を、また一緒に見てるんだね」


「また一緒に来れて嬉しいよ。本当に……いろいろと迷惑をかけてごめんね、いっぱい傷つけた」


「何回も聞いたよ! いい加減怒るぞー!」


「あ、もう言いません。だから頬へこませて! ぽかぽか駄目ー!」


「むー!」



「ゆっくりね。波打ち際までもうちょっとだよ」


「わかってますぅ! 子供じゃない……わ?!」


「おっと! はいはい、素敵なレディはアンヨが上手ですねー」


「子供じゃないしぃ! 秋君、妾は激おこでござるよ?!」


「レディはござるなんて言わないでござるよ?」


「?! …………人を呪いたい気持ちって、こうやって積み重なっていくんだね……」


「噓でしょ?!」



「ふんふん、Never、ふんふーん! ふー」


「その歌、一番好きだよね。そのおかげで僕が真っ先に覚えた曲」


「れきれきのこの歌ね、夏がいっぱいつまってる感じが好き! それに、『届けたい気持ち』とか、どきどきしちゃう!」


「終わらない夏休みっていうのもいいね」


「でしょ? ふふふ、おぬしもやりおるの……」


「その言葉、使いどころ違わない?」



「パラソル、返してきたよ」


「秋君ありがと! いっぱい楽しんだねぇ」


「大丈夫? 元気出しすぎて、疲れてない?」


「だいじょーぶ! 秋君こそ無理しちゃだめ!」


「無理してないよ。明里こそ笑って我慢するし」


「秋君だって一緒じゃん! 秋君は自分は大事にしないとダメ!」


「明里もだよ。自分を大切にしなよ? ……指切りしよっか」


「望むところだぁ! へいへーい! 夕陽の前で指切り、ステキ!」


「だね! じゃあ……いっせーの、せ!」


「「うっそついたらはっりせんぼんのーますっ! ゆびきった!」」





 君は太陽。


 まばゆい光で照らしてくれた。


 君といる時間はいつだって、宝物だった。



 

 

「あ! 海の上にお日様の道ができたー!」


「太陽へと、続く道……本当に、光り輝く道みたいだ。さすが明里!」


「にっひひー、えっへん!」


「でも、どや顔が過ぎる……!」








 好きになって。


 どうしようもなく好きが止まらなくって。


 離れてしまっても、やっぱり好きで。 







「あーあ。このまま、時間が止まってくれたらいいのになあ」


「止まってくれたら、明里と一緒に夕陽をずっと見てられるのにね」


「ね! ざーんねん! ね、秋君」


「ん?」


「ぎゅうってして?」


「喜んで」






 

 二度と離れたくない。


 でも。


 もしも離れてしまったら、君を探すよ。


 君に向かって、手を伸ばし続けるよ。 


 大好きな大好きな、この海に誓います。











 君という太陽たいように、寄り添う月でありたい。

 いつかの未来でもきっと、君の元へ。












「ふあー。ちょっとだけ寝てい? 疲れちゃったのかなー」


「アラームをかけて少しだけ寝ようか。もちろん曲はれきさんで」


「さっすが秋君! ほめてつかわす! ……ねえ、秋君秋君」


「微妙な褒め方だ……! はい」


「これからもずっと一緒にいようね」


「ずっと一緒じゃなきゃ嫌だ」


「嬉しい! ……秋君、肩借りるね?」


「僕も、肩に乗せた頭借りるね?」


「えっちー。おやすみ……」


「濡れ衣ー。おやすみ……大好きだよ」


「にひひー……嬉し」


「すっごい幸せ……」


「私もー……」




 ……



 …………



 ………………



 ~♪


 

”  Never Ending Summer Vacation


  適当にメロディーを口ずさんで ”



 ~♪ ♫



 ……




 


 ~♪



”  Never Ending Summer Vacation


  適当にメロディーを口ずさんで ”



 ~♪ ♫



 ……



 


 ~♪



”  Never Ending Summer Vacation


  適当にメロディーを口ずさんで ”



 ~♪ ♫



 ……



 


 ~♪



”  Never Ending Summer Vacation ”



 ~♪ ♫



 ……



 …………



 ………………



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