第19話 『Never Ending Summer Vacation』
(嬉しい……! 願いが叶った、叶えてもらった! 神様、ありがとうございます!)
(潮風、キラキラの光を跳ね返す青い海、水平線、全然変わってない。私達の、想い出の場所。苦しさなんてふっとんじゃう!)
「やっと、来れた。私達が恋人同士になったこの海を、また一緒に見てるんだね」
「また一緒に来れて嬉しいよ。本当に……いろいろと迷惑をかけてごめんね、いっぱい傷つけた」
「何回も聞いたよ! いい加減怒るぞー!」
「あ、もう言いません。だから頬へこませて! ぽかぽか駄目ー!」
「むー!」
●
「ゆっくりね。波打ち際までもうちょっとだよ」
「わかってますぅ! 子供じゃない……わ?!」
「おっと! はいはい、素敵なレディはアンヨが上手ですねー」
「子供じゃないしぃ! 秋君、妾は激おこでござるよ?!」
「レディはござるなんて言わないでござるよ?」
「?! …………人を呪いたい気持ちって、こうやって積み重なっていくんだね……」
「噓でしょ?!」
●
「ふんふん、Never、ふんふーん! ふー」
「その歌、一番好きだよね。そのおかげで僕が真っ先に覚えた曲」
「れきれきのこの歌ね、夏がいっぱいつまってる感じが好き! それに、『届けたい気持ち』とか、どきどきしちゃう!」
「終わらない夏休みっていうのもいいね」
「でしょ? ふふふ、おぬしもやりおるの……」
「その言葉、使いどころ違わない?」
●
「パラソル、返してきたよ」
「秋君ありがと! いっぱい楽しんだねぇ」
「大丈夫? 元気出しすぎて、疲れてない?」
「だいじょーぶ! 秋君こそ無理しちゃだめ!」
「無理してないよ。明里こそ笑って我慢するし」
「秋君だって一緒じゃん! 秋君は自分は大事にしないとダメ!」
「明里もだよ。自分を大切にしなよ? ……指切りしよっか」
「望むところだぁ! へいへーい! 夕陽の前で指切り、ステキ!」
「だね! じゃあ……いっせーの、せ!」
「「うっそついたらはっりせんぼんのーますっ! ゆびきった!」」
●
君は太陽。
君といる時間はいつだって、宝物だった。
●
「あ! 海の上にお日様の道ができたー!」
「太陽へと、続く道……本当に、光り輝く道みたいだ。さすが明里!」
「にっひひー、えっへん!」
「でも、どや顔が過ぎる……!」
●
好きになって。
どうしようもなく好きが止まらなくって。
離れてしまっても、やっぱり好きで。
●
「あーあ。このまま、時間が止まってくれたらいいのになあ」
「止まってくれたら、明里と一緒に夕陽をずっと見てられるのにね」
「ね! ざーんねん! ね、秋君」
「ん?」
「ぎゅうってして?」
「喜んで」
●
二度と離れたくない。
でも。
もしも離れてしまったら、君を探すよ。
君に向かって、手を伸ばし続けるよ。
大好きな大好きな、この海に誓います。
君という
いつかの未来でもきっと、君の元へ。
●
「ふあー。ちょっとだけ寝てい? 疲れちゃったのかなー」
「アラームをかけて少しだけ寝ようか。もちろん曲はれきさんで」
「さっすが秋君! ほめてつかわす! ……ねえ、秋君秋君」
「微妙な褒め方だ……! はい」
「これからもずっと一緒にいようね」
「ずっと一緒じゃなきゃ嫌だ」
「嬉しい! ……秋君、肩借りるね?」
「僕も、肩に乗せた頭借りるね?」
「えっちー。おやすみ……」
「濡れ衣ー。おやすみ……大好きだよ」
「にひひー……嬉し」
「すっごい幸せ……」
「私もー……」
●
……
…………
………………
~♪
” Never Ending Summer Vacation
適当にメロディーを口ずさんで ”
~♪ ♫
……
●
~♪
” Never Ending Summer Vacation
適当にメロディーを口ずさんで ”
~♪ ♫
……
●
~♪
” Never Ending Summer Vacation
適当にメロディーを口ずさんで ”
~♪ ♫
……
●
~♪
” Never Ending Summer Vacation ”
~♪ ♫
……
…………
………………
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