第2章 変わらぬ想い、悲しい選択
第9話 別れたいんだ
(駅じゃなくて公園で待ち合わせってめずらしいよね。最近秋君元気ないから心配。少しでも元気になってもらえるように今日も頑張るぞ!)
(あーあ、同じ学校に行きたかったなあ……。そしたら、いっぱいいっぱい私の元気を分けてあげられるのに。秋君の為に、毎日頑張るのに……)
●
「…………えっ?」
「…………」
「秋君、ごめん。今、なんて……」
「もう一度、言うね。別れたいんだ」
「……え、う、ウソ!」
「……本気なんだ。別れよう」
「そんな……! 最近元気なかったの、私のせいだったの?! 気づかなくてごめんなさい、でも待って! 私、直せる! 秋君が嫌いな私、全部直せるから!」
(こないだから、『元気ない? 大丈夫?』って聞いても、大丈夫って言ってて……私のバカ! 秋君が私の事で悩んでたのに! 私の事、どんどん嫌いになってたのに!)
「私、直すから! 秋君とお別れしたくない! 大好きなの! だから……だから……チャンスをください!」
「もう、決めてるんだ。今日でお別れ、しよう。三年間ありがとう」
「待って! ……やだ! やだよ……秋君!」
「……触って、ほしくない」
「!!!」
(そ、んな……そこまで私のこと、嫌いになっちゃったの……? こんな秋君、見たことない……震えが止まらない。……でもダメ。今泣いちゃダメ! 秋君にこんなこと言わせたのは私、一番泣きたいのは秋君でしょ!)
「ねえ、ねえ……秋君、待って。待って。私の事が嫌いでも、も少しだけ聞いてほしいの……お願い!」
「……うん」
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