第7話 と、飛び降りちゃったんだ。

「と、飛び降りちゃったんだ。20文字?! うん、でも可愛い所は20文字以内じゃ言い切れない、かな。今日の服もとっても似合ってる、可愛い」


「はぅ?!」


「髪の毛、いつもよりふわっ、クルッとしてる。その髪型も可愛い」


「ひゃ! ひゃあ!」


「今日も周りの人に『僕の大好きな、自慢の彼女なんです!』って見せびらかしたいくらい、ドキドキしてる」


「……ひあー!」


「ええ!? 歩道に座り込んだら汚れちゃうよ! それに太もも、丸見え……! は、早く立ってえ!」


「あまりのうれしさに、天国のおばあちゃんが『よかったのぅ☆』って横ピしてるのが見えたよ!」


「魂抜けたらダメ! すごく愉快なお祖母ちゃんだね……」


「もう、高月君ほめすぎだよ! えへへのうひひーだよ! お盆と夏休みとお正月とクリスマスとバレンタインが一気にやってきた感じ! もー!」


「すっごい大集合だ……。時間より早いけど、どうする? このままバスに乗る?」


「うん! で、ショッピングモールでご飯食べて映画見て遊んで、夕方近くなったら砂浜に行くんだよね!」


「中濱さん、元気でよろしいです。じゃあ、はぐれないように僕の手を握ったら出発しましょう」


「はい! 出発なのです! 海行きのバスに、あの優しい運転手さんいないかなあ。全部あの運転手さんならいいのに」


「運転手さん倒れちゃうよ?! でも会いたいね」


「また図書館行きのバスに乗れば会えるよね!」





「ショッピングモール、おっきーい!」


「平日だから、まだ人多くないね。冬休みだから学生は多いかな……中濱さん、スゴく密着してませんか?!」


「今、高校生っぽいお姉さん達が高月君をちらちら見てたよ! ラブいちゃ攻撃ぃ!」


「その攻撃、僕に一番クリティカルヒットしてる!」


「高月君がカッコよすぎなんだよ! もう……あ、あれ! 今日は一日中つけててほしいです!」


「は、鼻メガネ……。一緒につけるなら、検討します」


「えー、可愛いカッコしてきたのに……ひあ! おはなのいはうおお鼻伸びちゃうよ?! のいる伸びるー! のいはうー!!」


「まったくもう! まあ、僕としては中濱さんに鼻メガネしてもらいたいくらいだけど、さ」


「私がお鼻メガネしたら『えー、あんなのがあの男子の彼女?釣り合ってなーい』とか言われちゃうよぉ……」


「そんなこと言われないから! むしろ僕の方が釣り合ってないって言われたらどうしようっていつも思うんだ。中濱さん、本当に……可愛すぎるよ」


「……!!! も、もう、そんな事ばっかり言って! 私の台詞だよぉ! もう! もう!」


「顔、真っ赤だよ?! 本当なのに……うわ! ぺっしんぺっしん叩きすぎ!」


「だってぇ! 嬉しくって……えへへ」


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