第4話 海だよ、高月君!

「おおお! 海! 海だよ、高月君!」


「天気いいし、よかったね! シート持ってきたから、海の家でビーチパラソル借りよっか。ワクワクしてきたね!」


「うん! 私も!」


(私と一緒に来れて嬉しい、とか冗談でも言ってくれないかなぁ)





「じゃっじゃーん! 今日のお弁当、自信あり! ほっぺた、落とさないでね! 見たい? 見たいー?」


「えっ、着いたばっかり……あっ、わかったから唇尖らせないで?! 朝から動き回ったから、小腹空いてきたー、お腹鳴っちゃうかもー。お弁当食べよっか」


「え、早くない? まだ朝の10時だよ? ひあ! ほっへらのいはうおほっぺた伸びちゃうよ?! のいる伸びるー! のいはうー!!」


「まったくもう……! でも食べちゃって、後でお腹が空いたら海の家で、とかもいいよね、お弁当が楽しみで、朝ご飯食べてないんだ」


「食べる! 実は私も朝ごはん食べてないの……はい!」


「おお! 今日も美味しそう! ありがとう!」


「私の料理の勉強に付き合わせちゃってごめんね? いただきます! 今日はですね。タコさんウインナーでミニトマトを包み込んでぇ」


「ミニトマトがタコに襲われてる風に見えるよ?!」


「にひひー。驚いた?」


「ミニトマトを応援したい……美味しい!」


「やったぁ!」



(もしかして周りから、カップルに見られてたりするのかな!)





「足だけ海に入ろ! きっと気持ちーよ!」


「そうだね! 行ってみようか!」


「じゃあ競争! よーい、どっ?!」


「中濱さん、スタートしてから転ぼう?! ほら、手を掴んでー、よいしょ! うわ、砂だら……え?! ちょっと待っ……!」


「お覚悟ぉ! 人を呪わば穴二つぅ!」


「死なばもろともだよね?! あああ!」


「えやあー! あああぁ?!」


「「ぶふぅ! あっつー!!」」



(抱きついちゃった! うひひー、やったぁ!)


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る