第2話 ぶふぅ?!

「……ふああ?! 本物のた、高つ、けほっ! けほけほ!」


「だ、大丈夫?! これ飲む?!」


「けほっ! あ、ありが………………、ひはー。ごめんね、けほ……っていうか、いつからそこにいたの?!」


「バスに乗ったら座席に中濱さんが見えた。でもひとり事言ってて気付かれなくて」


「そうなんだ! 寝言かも! 寝てたかも!」


「う、うん、理解した。……隣、座ってもいいかな?」


「は、ハイどうぞ! 喜んで!」


(びっくりしたぁ……でも、嬉しいな。久しぶりに隣同士、それに学校より距離が近いよ、ふひひ)


「お茶、飲み終わった? 捨てとくよ。慌てて差し出しちゃったから……ごめんね、飲みかけで」


「ぶふぅ?! 嘘?! じゃなくって、わ、私が捨てとくからだいじょぶだいじょぶ!」


(ぶふぅ、とか言っちゃった、恥ずかしい! で、でもでも、高月君と間接、ちゅ、う。きゃー! ペットボトルは、家宝にするんだぁ!)


「ありがとう。それで、ええと、中濱さんも図書館に行くんだっけ?」


「そうだよ! も、って事は高月君も図書館に行くの?」


「うん。よ、よかったら、一緒に勉強する?」


「ホントに?! 絶対はかどるし! 嬉し……」


(……あれ? 私、図書館に行くって言ったっけ……?)


「むむー? …………。……………………あ、ああああああぁぁぁ?! ままま、まさかっ!」


「あ……うん。全部聞こえちゃってた、かな」


「きゃー! ウソだよね?! 忘れて! 忘れてよぉ! 揺さぶるね! ひああー! 忘れてえええぇぇぇ!」


「うわ、わ、わ……揺さ、ぶっても、忘れない、からー」


「わかんないじゃん! わかんないじゃん!」


【” ピンポーン ” バスの車内では、お静かに願います】


「「は、はい! すみませんっ!」」


「……あうう……揺さぶったら、気分が……」


「ぼ、僕も。車に酔うって、こんな感じなのかなぁ……」


「ご、ごめんなさい……」


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