放課後に練習なんてものは理想
学校終わり、部活で賑わう体育館。
その中に10人ぐらいの集団がいた。
「俺達の目標は!?」
「体育祭で目立って女子からキャーキャー言われたいです!」
「その通り!あわよくば彼女が欲しい!」
俺の目の前では数人のバカが変な会話を繰り返している。
話を聞くだけでバカバカしく思えるが、
こいつらは俺の同級生だ。
馬鹿どものおふざけを響と眺めていた。
と、言うのも。
昼休みに練習したいと話をしていたら、篠崎せんせーがその話を聞いていたらしく、毎日放課後に1.2時間程度体育館とグラウンドの使用許可をくれた。
この学校の体育館には生徒専用のジムが併設してあり、そこで筋力をつけたり、
ジム周りのランニングスペースで走ったり、
グラウンドに出て走ることが出来る。
そうして、放課後にこうやって集まったわけだ。
「モテたいとかそーいうのはとりあえず置いといて、こーやって集まったわけだしこの時間を有意義なものにしよう」
声を出すのは、学級委員の
迅はパンパンと手を叩くと俺達全員の顔を見る。
迅と目が合った。迅は笑顔を向けてきた。
今まであまりクラスメイトと関わることがなかったから少し緊張する。
「じゃあ、とりあえずみんなどの競技に出たいとかある?」
「私、リレーに出たい。」
意外にも一番最初に声を挙げたのはゆうなだ。
そして、ゆうなに続くように何人かが声を挙げる。
「案外多いね、4人か、、出場できる人は3人だから1人補欠になっちゃうけど、いい?」
迅の問いに全員が顔を縦に振って答える。
「じゃあ、補欠を決めないとなんだけど、せっかくだしさ来週の月曜に4人で勝負して勝った順ってのはどう?」
「異議なーし」
クラスの雰囲気は完全に迅に掴まれてる。
勝負ってなったらゆうな勝ち目ないんじゃないか?
俺が不安になるのには理由がある。
それはゆうな以外全員陸上部なのだ。
「それだとさ、ゆうなちゃんが不利じゃない?」
話がまとまりつつある中で響が声を上げた。
響はゆうなが頑張ろうとしていることを知っているから応援したいと思っているのだろう。
「たしかに、みんな陸上部だしな、」
響の声は迅にしっかりと届いたらしく、迅はなにか考えている様子だ。
「響くん。ありがとう。でも、大丈夫」
次に声を上げたのはゆうなだった。
「たしかに、私は不利かもしれないけど、私は勝ちたいから、勝てる人に参加して欲しい。」
ゆうなのこんな姿初めて見た。
いつものゆうなはここまで自分の意思を押し通すような感じでは無い。
「来週の勝負やろう。私負けないから」
ゆうなは陸上部の3人に指を指し宣戦布告をした。
〈5分で読める小説シリーズ〉メッセージ 猫宮いたな @itana
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。〈5分で読める小説シリーズ〉メッセージの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
近況ノート
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます