ばつたりと
辻村栗栖
ばつたりと
かがやかぬ土管三本猫の恋
まじまじと見合ふ鸚哥と風信子
独逸より来し花守と伺ひぬ
騒がしき服を着てをり花篝
海女岸へへんてこな掛け声をして
月光を受信してゐる袋角
自転車はさつきのゆふだちにまみれ
こんなにも黴を落とせる泡だとは
アロハシャツぐんぐん緯度の下がりをり
新しく星座を編んでゐる端居
片言のレジの返事や涼新た
露草や袈裟の内なる胸厚し
障子貼る鳥の言葉の分かりさう
毒茸を必死に隠しゐる芒
文化の日スフィンクスかに這ふ猫も
インバネス馬の過ぐるを振り返り
ばつたりと枯蟷螂に会ひにけり
雪女からふんだくるべき物が
とりあへずウィンナーを買ふ夜火事かな
雪兎あかるき雪に埋まりゆく
ばつたりと 辻村栗栖 @ChrisTsu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます