夏の庭こころの型の花びらよ

小荒真 知子

夏の庭こころの型の花びらよ


ホームセンターの入り口には園芸センターがあってついついと緑の

間を歩いてしまう。



あわただしく3月の末に移動をして、通常通り仕事をリモートでこなしながらの毎日で気が付くと体を動かしていないなんて日がざらにある


息抜きにと歩く先はだいたいこのへん


ただ緑を見て歩くのが好きといっても、育てるのが好きとかそういうのではない

ただ見るのが好きというのだ。


お洋服のお店をただ見るだけで歩いていると、必ずと言っていいほど

お店の人が知らない間に近くにいてどうしよう、、となることも多いけれど


ホームセンターの園芸は駐車場にほど近く、お店の中というよりは

ほとんど外の部分も多く大変解放的であり、



こちらから声をかけることがなければめったなことでは

お店の人が知らない間に近くに立っているということもないという

非常に気楽に過ごせるところなのです。


季節ごとに入れ替わる花は、ホームセンターの人たちによってとても見ごたえのあるように展示されている場といってもいいかもしれない。


こんな風に飾ると綺麗なんですという寄せ植えがおいてあってとても見ごたえがある

寄せ植えを自分がするとは思えないけれど参考になります~とか声にでそうになる



白い花びらにピンク色のハート形がある絵にかいたようなかわいらしさを花びらで表現した花があった



花の説明があって、品種改良されたナス科のお花です。風がふくと本当にピンク色の

ハートが飛びます、とかいてあります。



本当にハートが飛ぶってどういうことと思いました。お店の人に声をかけるのもなんだしと思いながら花をみていると、花の設置してあるウッドデッキの間を風が通り抜けていきました


「!」


風の吹く方向へピンク色のハートがポポポポポと飛んでいくでいきます。

風がやむとハートが見えなくなりました。



説明には、過度にハートが飛ぶ場合は少し日陰にいれてあげてください、落ち着きますとかいてありました。


どうなんだろう、花をあまり育てたことのない人が取り扱うには少し注意が必要な花かもしれない、


でも何の変哲もないベランダから風が吹く度にピンク色のハートが飛んでいくのはなんとなく思い浮かべるだけで笑ってしまいそうになる



一つだけなら風が強く吹いてハートが沢山でたって、

太陽がよくあたってハートが大量にでたってそんなに気にならないだろう


そういって 葉二は、ハート型の花を一つ手に取ってレジへ向かった。

レジで精算が終わるまで葉二の手元からはハートがずっと湧き出ていました。



なつのにわこころのかたのはなびらよ

夏の庭こころの型の花びらよ 

             葉二


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

夏の庭こころの型の花びらよ 小荒真 知子 @kohinomu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る