第6話

ダンジョンコアなんて言いつつ、これはただのロボット作成管理操作装置でしかない。

せっかくだから、本物のダンジョンが欲しいよね。持ってる!

でもまずは、街を建設しないとだね。


ダンジョンコアから作り出した人足をフルに使い、学校星の資料を参考に街を作っていく。もちろん、首相及び各星からは全面的なバックアップを受けており、それぞれの軍事予算の半額がここに注がれた。簡単な建物や店員さんはダンジョンコアを使えばいいけど、浄水装置や食料品などなど、必要なものは多いからね。


最初はポンコツだった生徒達も、一年経つ頃にはだいぶ腕が上がったように思う。


そして、俺は生徒達を全員呼び出した。


「今から、特別なダンジョンコアを使って、特別な技を見せる。皆、しっかり感じてね」


 そういうと、全員が真剣な顔をした。


 俺は、ダンジョンコアを取り出した。

 あんなへぼい出来損ないなんかじゃない。


 天空島のダンジョンから取ってきたばかりの、キラッキラのコアだ。

 可愛い可愛い俺の子供だ。篭には12個入っている。

 1ダースは分け合いやすい優しい数字だ。

 恵を分かち合って欲しいと祈りを込めて、最初のダンジョンは12個とした。

 養分の極大魔石もしっかり用意してある。

 メインのダンジョンコア以外にも、108個の雑多なコアを用意している。

 生徒の総人数も108人。前世で人間の煩悩の数、なんて言われていた。ちょうどいい数字だ。俺はコアに呼びかけた。

 

「さあ、目覚めろよ、遊ぼうぜ。お前の名は星数子。星数子(ほしずね)ダンジョンだ」


 ダンジョンコアは輝いて、魔石を、廃墟の街を喰らっていく。

 生徒達はもちろん巻き込まれないよう、保護している。

 

 ダンジョンの機能で転移をして外へ。


 十二回繰り返して、その後生徒に一人一個ずつやらせた。

 ダンジョンが稼働したら、ギルドカードの発行を行うコアを設置する。

 ギルドカードの持ち主には各所に置いたコアの端末から道案内等をさせる。

 流石にダンジョンコアに全てを任せるわけにはいかないため、オペレーターを交代でつける。

 

 そうして、俺はにーちゃ達を出迎えた。

 

「にーちゃー!! 俺の作ったダンジョン見てー!!!」

「要。いいのかい、こんなところにいて」

「皆が頑張ってくれてるからいーの。いい、にーちゃ。この星は、ダンジョンから素材を持ち帰って成り上がるゲームをしてるんだ。ギルドカードを見て。ここには、90食分のセーフティがあって、食券90枚と魔石小引換券30枚、タブレットと携帯、リュック引換券一枚がもらえる。国からの支援だよ。ただし、食券30枚を切ったら政府によるフォローを受けないとダメだからね。その他にも、困ったらあそこにあるみたいなコアにギルドカードを当てて相談すれば、聞いてもらえるから。食券は売店やタブレットミッションをする事で、補充できるよ。資格を取ったり。ギルドカードは持ったね? じゃあ、俺案内するよー。まず一番にやんなきゃいけないのは宿の確保! にーちゃ達の宿は確保してあるよ。星数子ダンジョンの近く。あそこは初心者から上級者まで、引きどころを間違えないなら懐が広いからね」


 俺を乗せて、魔物がゆったりと動く。

 徒歩移動? やるわけないじゃん。

 にーちゃや案内する本家の人たちと一緒に、関係ない人たちもゾロゾロ着いてくる。もちろん問題ない。


「にーちゃ、ここが当面のにーちゃの家だよ。ここに同じ色の魔石をセットすれば、家電とかが動くようになるよ。売店で魔石を買って、嵌めればいいよ。引換券が使えるから。家はね。ギルドカードから家賃を支払う形式だよ。家賃が切れたら他の人が入れちゃうから気をつけてね。家賃は魔石で払うんだよ。色はなんでもいいよ。宿を変えることはいつでも出来るけど、家をキープ出来るのは二件までで、キャンセルした宿に入れた魔石は戻ってこないから、気をつけて」


「狭いな。いや、すまない」

「初めから満たされちゃつまんないだろ? もっといい家もあるけど、魔石が高くなるよ。成り上がりを楽しんで! 力さえあって順序を守ればすぐ成り上がれるよ」

「順序とは?」

「順番に攻略しないと、バランスよく物が手に入らないから。そこはまあ、情報交換して、どこで食料が取れて、どこで服の減量が取れて、どこでいい魔石が取れるか、情報収集するんだね。基本、素材を店に持ち込めば最低品質の加工がしてもらえるよ。それ以上が欲しかったら、加工が得意な人を探してお願いしてね」

「一から文明を作れと。でもまあ、冷蔵庫とか最初から用意されてるだけ有情か」

「そゆこと! 本当はダンジョンだけにしようかと思ったけど、それは流石に無理かなって。じゃあ、荷物を置いてダンジョンにGO! 1週間後に感想聞くよー。あ、ダンジョンコアは破壊したらダメだよ!」


 1週間後。

 にーちゃ達は屋敷へと引っ越していた。

 ギルドハウスである。


 質素な無地の服を着て、お茶を出してくれた。


「にーちゃ、ダンジョン好き?」

「……好き」


 ならばよかった。


「にーちゃが喜んでくれて嬉しい。ダンジョンは楽しいところだよ。困っていることはない?」

「ないな。足りないものはダンジョンで取ってくればいいし、タブレットで勉強も娯楽もカバーできるし」

「よかった、にーちゃ」


 そして、ダンジョン運営をする事一年。

 ダンジョンが飽和した。


 軍人と元軍人以外がくんじゃねぇ。何がよーしっパパ頑張っちゃうぞだ。

 親子連れでバカンスにくんな。気持ちはわかるけども!


 マナーの悪さについても問題になり、軍人保養地星は独立の機運が急上昇してる。


 誰かなんとかして。

 

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肉風船、中身はチート @yuzukarin2022

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