第7話◆水族館デート

 湊に会いたかったけど、お金が心配なので2時間だけ利用することにした。

 デートの日、水族館に行くことにした。いつか彼氏が出来たら水族館デートをしてみたったのだ。クラゲの水槽見て、熱帯魚見て、深海魚コーナーも見て、大きな水槽の前のベンチで湊と話しながら楽しい時間を過ごしていた。次の展示場所に移動しようとしたとき、偶然、会社の人に会ってしまった。同い歳の派手で上司にも気に入られている田中さん。田中さんは、「あれ…、ちょっとーびっくり!!山田さん彼氏と!?彼氏なの!?えーーー意外すぎる。なんか彼氏さん、全然、山田さんとタイプが違いますね!!こんど詳しく聞きたい~!!飲み行きましょうね。」私も「はい。ぜび!!」とだけ言っておいた。「じゃあまた会社でね!!」「はい。」とだけ答えた。田中さんは声も大きいしハキハキしてるから、同じ歳なのに、なんか圧倒されてしまうんだよな。高校の同級生とは違って仲良くはなれなかった。


 湊も「職場の人、圧がすごいね...。僕、なっちゃんみないな控え目なコのが好き。」と言ってくれた。

 結局、この日は、水族館に行ったら楽しくてもっと湊といたくなり、湊を追加で2時間延長してしまった。まだまだ一緒にいたかったので、さらに、延長しようとしたところ、他に予約が入っているとのことだった。

 そっか…。私以外にも沢山お客さんはいるよな。と改めて考えた。本物の彼氏じゃないのに、少し湊に嫉妬してしまった。

 もっと湊と一緒にいたい。もっと触れ合えたらいいのにと思った。

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