希望はドライアイスみたいだ
小槻みしろ/白崎ぼたん
希望はドライアイスみたいだ
もう一度必死に走らせてください神様すぐに死んでいいから
坂道にさしかかれば家だった違う家に帰りたかった
絶望というか納得するだろう子どもの私会いに来てもさ
帰り道いつも泣いてたのびた影枯れ葉ランドセルの重さ
「誰しも」と歌いたがっているわれはずっと誰とも話していない
幸せになりたい生きていきたい希望はドライアイスみたいだ
ずっとずっと夢の中で吐いている何も生み出さぬわれと朝
最悪の時にしとけばよかったな「なんで私が」というクエスチョン
私などただの傲慢ちきでしょうもうそれでしかなくなった生
日が昇るわれは宇宙の塵であるなんで怯えて泣いてるだろう
「だまされてないか」と親に案じられ「たぶん」と返すちょっと肥えたな
誰もかも消えちまえと願う夜砂漠でクラッカーを食べた口
腹のうち赤い不安が澱んでるはがれて落ちる日さえなくなる
人間の子供と女は永遠だいつまで雌でいられるだろう
飽食とひとは私に言うだろうこの人生に名刺がほしい
やめとこう私は今にいるのだしへその緒からは何も出ないよ
断崖というにはぬくい日常が続くそろそろ走り出さなきゃ
今はただくらむ不安の中にいるちゃんと生きてくと決めたから
今日明日も明後日だってわれのものきっとまっすぐに走ってる
ゴール前すこしずつでも走りゆけ亀でいいんだテープをくぐれ
希望はドライアイスみたいだ 小槻みしろ/白崎ぼたん @tsuki_towa
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